第20回日仏原子力専門家会合(N-20)を開催


 当協会は、11月12、13日の2日間、東京にて「第20回日仏原子力専門家会合(N-20)」を開催いたしました。

 N-20会合は、日仏両国の原子力関係者が、原子力開発計画、その背景となる基本方針、また当面する諸問題について意見や情報を交換することにより、双方の相互理解と協力を促進し、ひいては世界の原子力平和利用開発の円滑な推進に寄与することを目的として、1991年以来、ほぼ年1回のペースで、日本とフランスで交互に開催しているものです。
 第20回となる今回の会合では、フランスからは原子力・代替エネルギー庁(CEA)エルヴェ・ベルナール副長官、クリストフ・ベアール原子力開発局長、日本からは服部拓也原産協会理事長をはじめとする約25名が参加し、今後の両国のエネルギー・原子力政策や原子力発電所の安全性向上に反映すべく、率直な議論を行いました。
 N-20会合は非公開ですが、議論の成果を共同声明にまとめ、以下の点について協力していくことを確認しました。

  日仏は、両国において原子力を代替する安価で入手可能なエネルギーはなく、気候変動対策と安価で安定したエネルギー供給を実現するには、原子力を除いたエネルギー政策オプションはないという認識で一致。
 
  仏は、福島第一原子力発電所の汚染水と廃止措置の問題は世界の注目を集めており、日本政府と東京電力は一体的に世界に説明するべきだと助言。透明性を持って国際社会の叡智を集結する努力が重要だと指摘。
 
  日仏は、再処理によって得られるプルトニウム・ウランを有効利用でき、高レベル放射性廃棄物の体積と有害物を減容できる核燃料サイクル確立の重要性を強調。
 
  仏は、高速炉システム研究開発を仏の持続可能な原子力戦略において不可欠なものと認識。日仏は、高速炉の役割と将来の可能性は、若い世代を原子力に引き付ける要因になるとの意義を評価。
 
  日仏は、N-20会合について、原子力開発における重要な課題や国際協力に関して、日仏の専門家の間で非公式に情報や意見を交換する非常に貴重な機会であるとの認識で一致。

   

共同声明はこちら。(英文)(和文仮訳)

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