|
□原子力文化財団が、世論調査の専門機関である「リサーチ&リサーチ社」に依頼し、全国の20歳以上の成人男女1,000名(信頼度95%、サンプルエラー±3.1%)を対象に、「原子力発電所の適正比率に対する国民意識」について電話調査を実施した。指標項目は、原子力発電の必要性、安全性、発電所の新規建設(原子力発電所の比率)、居住地への受け入れ、などで構成されている。 |
□主要結果 |
・「原子力発電所が必要だ」という回答は、前年に対して、9.8%上昇の92.5%で、大部分の国民が原子力の必要性を認識している。一方、「必要ではない」という回答は3.2%下がって5.8%にとどまった。 |
・「原子力発電の比率を高めるべきだ」という回答は67.5%で、前年に比べて23.9%上昇した。一方、「原子力発電の比率を下げるべきだ」という回答は6.5%で、前年の6.0%に対して、わずかに上昇した。 |
*比率を高める理由は、「電力需要の増加に備えて」、「最もふさわしい代替エネルギー」、「経済的エネルギー」、「クリーンエネルギー」、の順。 |
・「原子力発電は安全である」という回答は63.4%で、前年に比べて12%上昇した。一方、「安全ではない」という回答は、7.1%下がって21.8%にとどまった。 |
*安全ではない理由としては、「廃棄物処理と放射能漏れ」、「事故発生の可能性のため」という回答があった。 |
・「居住地域に原子力発電所を建設することに賛成」の意見は、6.9%上昇の34.6%、「地域の発展に対する投資規模によって決める」は、14.5%上昇の32.8%、反対は9.7%下落の32.7%。 |
*「地域の発展に対する投資規模によって決める」という意見が大幅に増え、地域支援を期待する傾向が表れている。 |
□今回の調査結果は、中低レベル放射性廃棄物処理場の立地選定の解決とともに、石油価格高騰が続いていること、そして、地球温暖化による原子力ルネッサンス、など世界における原子力建設の動きを反映してものだと言える。 |
□年度別の認識度変化の推移を分析すると、2005年には放射性廃棄物処理場の選定と関連した、集中広報と賛否討論などが、原子力に対して肯定的に作用し、前年に対して大幅に上昇した。 |
一方、2006年には、北朝鮮での核実験(2006年10月)の影響で、反対世論が高まった。 |
*放射性廃棄物処理場の立地選定による肯定的影響が18%、北朝鮮の核実験による否定的影響が42%としてあらわれた。(2006年世論調査の回答者を対象に調査した結果。2007年6月「韓国リサーチ」) |
□2007年と2006年では、似たような数値の結果が出ているが、今回の調査では、石油価格の上昇、地球温暖化など、エネルギー状況の変化が原子力に対して、肯定的な影響を与えたものと考えることができる。 |