[原子力産業新聞] 2006年3月16日 第2323号 <4面>

[日本電子照射サービス] 国内初、医薬品電子線滅菌承認

 日本電子照射サービス(中新威彦社長)は、千寿製薬が製造する点眼薬について、電子線滅菌における医薬品製造承認を厚生労働省より受けた。医薬品(無菌製剤)に対する電子線滅菌の承認は国内で初めて。

 電子線滅菌(=写真)は、温度上昇がほとんどなく、最終包装梱包のまま瞬時に滅菌できる。また、無菌医薬品、滅菌医療機器の製造の際に要求される、滅菌バリデーションや、無菌性保証への対応が容易で、滅菌の判定を線量で行えるため、無菌試験が省略できる。

 電子線滅菌は、ガンマ線と同様、放射線滅菌だが、発生源として放射性物質を使用しないため、放射性物質の管理などが不要。今回の承認により、熱処理、ろ過処理等が困難な無菌製剤などへの滅菌方法として今後の活用が期待される。

 日本電子照射サービスは、電子線滅菌承認の取得を記念して、6月に「電子線滅菌の概要及び滅菌バリデーションのポイント」などのセミナーを企画している。詳細は3月中旬以降、http://www.EBIS.jpに掲載の予定。本件問合せは、日本電子照射サービス・山瀬豊氏(電話03−5434−8467、電子メールYtk_Yamase@EBIS.shi.co.jp)まで。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.