[第34回原産年次大会] プログラム

基調テーマ:21世紀の原子力 − 地球、エネルギー、環境の保全のために

平成13年4月17日現在

年次大会の視点:開かれた総合討論の場として

従来から年次大会では、原子力開発に携わる関係者ばかりでなく、一般市民を含めた各分野の方々の参加を募り、原子力の問題、課題、将来の展望などについての意見の発表や意見交換、討論を行い、時には大会のまとめとしての声明書も作成し、発表してきた。

第34回大会においても、従来通り以上に、青森県などの多くの市民や専門家の方々にも広く参加を呼びかけ、活発な意見交換と討論を行うこととしたい。特に今回は、今後日本の原子力の中枢となる青森県にて開催することから、わが国から世界に向けて原子力平和利用の促進についての考え方、姿勢を発信することとしたい。また、青森県の住民の方々並びに国民に対しても、わが国のエネルギー政策における原子燃料サイクルの必要性、重要性について、さらなる理解の促進を図るため、活発な意見交換、情報の発信を行うこととする。

4月24日 (火) 午後5:00〜 参加登録 ホテル青森3F

午後6:30〜8:00 ホテル青森3F「孔雀の間」

○レセプション

4月25日(水)午前9:10〜午後12:10 青森市文化会館・大ホール

○開会セッション

<議長> 太田 宏次 電気事業連合会会長
  • 年次大会準備委員長挨拶
  • 吉田 豊弘前大学学長
  • 原産会長所信表明
  • 西澤 潤一日本原子力産業会議会長
  • 原子力委員長所感
  • 藤家 洋一原子力委員会委員長
  • 町村文部科学大臣所感 (代読)
  • 青江 茂文部科学省文部科学審議官
  • 経済産業省挨拶
  • 河野 博文経済産業省資源エネルギー庁長官

    [特別講演]

    <議長> 西岡 喬 三菱重工業 (株) 社長
    「原子力開発と地域発展」
    木村 守男 青森県知事
    「国際原子力機関の今日的役割と日本への期待」
    M.エルバラダイ 国際原子力機関 (IAEA) 事務局長
    「フランスの原子力開発と国際戦略」
    A.ローベルジョン 仏核燃料公社 (COGEMA) 会長兼社長
    「文明と原子力開発の意義」
    R.ローズ ピューリッツァー賞受賞米国作家

    午後12:30〜2:30 ホテル青森3F「孔雀の間」

    午餐会

    <挨拶>
  • 佐々木 誠造
  • 青森市長

    <食事>

    <特別講演>

    「縄紋人と私たち」
    佐原 真 国立歴史民俗博物館館長

    午後1:30〜2:30 青森市文化会館・大ホール

    ○原子力関係ビデオ映画 (日本語のみ) を放映

  • 「原子燃料サイクルの確立を目指して〜日本のリサイクルエネルギーは青森から生まれていく」 (30分)
  • 「未来への選択 − なぜ地層処分か」 (20分)
  • 「巨大地震に耐える第13部 〜 鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(22分)」

  • 午後12:30〜2:30 青森市文化会館・中会議室(4F)

    原子力を考える若い世代のフォーラム

    原子力に携わる若手有志が、今世紀初頭に社会の中心的な役割を果たす今の若い世代に呼びかけ、海外からの参加者も含めて、原子力の将来を考えながら意見交換するフォーラムを主催する。一般にも公開して行う。今後、若い世代の視点から、原子力をめぐる現状を論じ合い、相互に交流する機会としたい。

    <コーディネーター>
    • 土屋 智子 (財)電力中央研究所 経済社会研究所 主任研究員
    • 植松 真理・マリアンヌ (社)日本原子力学会 原子力青年ネットワーク連絡会 (YGN)運営委員 代表

    午後2:50〜5:30

    ○セッション1 「原子力−地球環境になぜ必要か」

    気候変動枠組み条約第6回締約国会議 (COP6) では、地球温暖化問題解決における原子力の位置付けをめぐり、賛否が明確に分かれる結果となった。先進国ならびに途上国が炭酸ガスを削減していくうえで、効果的な技術として原子力を活用していくことの重要性は明白である。このセッションでは、地球環境に配慮しながら原子力開発・利用をめぐる先進国、途上国の政策のあり方を検討し、社会の持続的な発展のために、原子力がいかに有効であるかを認識し、それを国内外に発信する。

    <議長>秋元 勇巳 三菱マテリアル (株) 会長

    基調講演

    「地球温暖化防止の対策とは」
    森嶌 昭夫 地球環境戦略研究機関理事長
    パネル討論(50音順)
    • L.エチャバリ 経済協力開発機構/原子力機関 (OECD/NEA) 事務局長
    • A.ハワード 米国原子力エネルギー協会 (NEI) 上級副理事長
    • 宮本 一 関西電力 (株) 副社長
    • 森嶌 昭夫 地球環境戦略研究機関理事長(前出)
    • 李 東暉 中国国家原子能機構 (CAEA) 副主任
    <コメンテーター>
    J.ブシャール 仏原子力庁(CEA)原子力開発局長

    午後6:00〜8:00 青森市文化会館・大会議室 (5階)

    ○市民の意見交換「21世紀の原子力−地球、エネルギー、環境の保全のために」

    年次大会の基調テーマ「21世紀の原子力−地球、エネルギー、環境の保全のために」を中心に市民の立場から自由に意見交換する。

    <コーディネーター>
    米澤 章子 青森放送(株)報道局放送部長

    <コメンテーター>

    4月26日(木)午前9:00〜10:20

    ○セッション2「原子燃料サイクル施設のある日英仏3地域から、世界へ」

    21世紀のエネルギー政策、原子力政策に対するフランス (ラ・アーグ)、イギリス (セラフィールド)、日本 (六ヶ所) の再処理工場を中心とした原子燃料サイクル施設の意義と役割、3カ国・3地域間の協力などついて、積極的に意見交換していただき、原子力利用、原子燃料リサイクルの意義と地域の貢献について議論する。

    <コーディネーター> 佐々木 高雄 東奥日報社社長
    • 木村 守男 青森県知事(前出)
    • J.カニンガム 英国カンブリア県選出国会議員 (セラフィールド再処理工場)
    • P.グレゴワール 仏国ラ・マンシュ県知事 (ラ・アーグ再処理工場)

    バスで六ヶ所村に移動 (原子燃料サイクル施設の概観を見学)


    午後2:00〜3:40 六ヶ所村文化交流プラザ・大ホール

    ○セッション3「使用済み燃料再処理の技術はいかにして確立したか−各国の建設と運転経験」

    再処理技術の開発はすでに半世紀にわたる歴史を持ち、近年、商用技術として改良され、英仏では良好な運転実績をあげている。ここでは、再処理政策の意味を改めて考えながら、英仏の専門家から再処理技術の進展の話を聞くと同時に、核燃料サイクル開発機構が東海再処理工場の建設・運転を通じて技術の蓄積を図った経験を聞く。それを踏まえて、日本原燃が建設をすすめている六ヶ所再処理工場の運転開始に向け、一種の化学工場としての再処理工場の特質を明らかにし、市民、特に青森県民に理解を深めていただくような構成とする。

    また、トラブル時の情報公開、情報提供のあり方などについても、経験に基づいた議論を展開してもらう。

    パネル討論(50音順)

    <議長> 鳥井 弘之 日本経済新聞社論説委員
    • S.イオン 英原子燃料会社 (BNFL) 研究開発部長
    • 大塔 溶弘 日本原燃 (株) 六ヶ所本部再処理事業所 再処理建設所副所長
    • 川口 昭夫 核燃料サイクル開発機構東海事業所再処理センター副センター長
    • P.プラデル 仏核燃料公社 (COGEMA) 再処理事業部長

    午後4:00〜7:00 六ヶ所村文化交流プラザ・大ホール

    ○セッション4「サイクル事業と地域の共生を考える」

    1988年にわが国最初のウラン濃縮工場の建設が着手されて以来、六ヶ所村は世界で最も大きな原子燃料リサイクル・センターの一つになろうとしている。21世紀に求められることは、これらのエネルギー産業と地域産業が融和発展しつつ共生するとともに、地域の安定をもたらすことである。ここでは、原子力発電等立地地域との代表者をも交えて、原子燃料サイクルとの共生のあり方を検討する。

    <議長> 松田 泰 (財)原子力発電技術機構理事長

    基調講演

    橋本 寿 六ヶ所村長

    パネル討論(50音順)

    • 阿波田 禾積 青森公立大学経営経済学部教授
    • 西川 正純 柏崎市市長
    • 佐々木 正 日本原燃 (株) 社長
    • 中村 政雄 ジャーナリスト
    • 橋本  寿 六ヶ所村長 (前出)
    • 松尾 拓爾 六ヶ所村商工会会長
    • 村上 達也 東海村長
    • 山口 成明 酪農家

    (村民との意見交換)

    <議長> 中村 政雄 ジャーナリスト (前出)


    バスで青森市内に移動


    4月27日 (金) 午前9:00〜11:00 青森市文化会館・大ホール

    ○セッション5「電力自由化の中で再評価される原子力」

    最近の石油・ガス価格の高騰による欧米各国での混乱は、安定供給の重要性を改めて浮き彫りにした。こうした中で、原子力発電を再評価する動きが浮上してきた。有利な経営資産として原子力発電所に熱い視線が注がれている米国では、16基の原子力発電所を所有する国内最大の原子力発電事業者エクセロン社が誕生した。その米国では、規制の合理化という流れの中で、出力上昇や運転サイクルの長期化、保守作業の効率化に関して産業界の意向に沿った前向きな方針が規制当局によって打ち出されている。また、新規発注が途絶えて久しい欧州では、電力自由化先進国のフィンランドで新規原子力発電所の建設申請が行われた。本セッションでは、電力自由化先進国での事例を紹介するとともに、わが国の置かれた状況を踏まえて、各国との共通点、相違点を探る。

    <議長> 勝俣 恒久 東京電力 (株) 副社長
    「BNFLの再編と新たな事業展開」
    N.アスキュー 英国原子燃料会社 (BNFL) 最高経営責任者(CEO)
    「電力ビジネスの世界潮流と原子力の競争力」
    西村 陽 学習院大学経済学部前特別客員教授
    「米国の原子力発電業界にみる規制緩和の攻略」
    N. ニューマーク ニューマーク・アソシエイツ代表
    「フィンランドの原子力発電戦略−新規建設をめざして」
    A.トイボラ フィンランド・テオリスーデン・ボイマ (TVO) 電力会社顧問

    午前11:10〜午後1:00

    ○セッション6「高レベル放射性廃棄物処分へのステップとその推進方策」

    わが国では平成12年10月に高レベル廃棄物処分の実施主体として原子力発電環境整備機構が発足し、21世紀半ばごろの処分実施に向けて、具体的な活動が開始されている。この推進に当たっては、国民と地域住民の立地や安全性等についての理解が不可欠であり、今後の開発の各段階に応じて、そのための誠意ある対応が求められる。ここでは先行して計画を進めているスイス、フランス等の関係者から計画の推進状況を聞き、国民の理解と地域共生について討論する。

    <議長> 森嶌 昭夫 地球環境戦略研究機関理事長

    基調講演

    P.ベルナール フランス原子力庁 (CEA)原子力開発局原子力技術開発本部長

    パネル討論(50音順)

    • 石橋 忠雄 弁護士
    • H.イスラー スイス放射性廃棄物管理共同組合 (NAGRA) 理事長
    • 徳山  明 富士常葉大学学長
    • 外門 一直 原子力発電環境整備機構理事長
    • D.ホートン 米国エネルギー省 (DOE) ユッカマウンテンサイト 調査プロジェクト次長
    • 安井 正也 経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課 放射性廃棄物対策室長
    以 上