[原子力産業新聞] 2001年6月7日 第2090号 <3面>

[米国] エネ省、FFTF閉鎖の適否を再審査

潜在的な可能性探る

米国エネルギー省 (DOE) のS.エイブラハム長官は5月15日、ワシントン州ハンフォード施設にある高速中性子束試験装置 (FFTF) について、前政権による永久閉鎖決定が適切か否かの再審査をブルックヘブン地域局のM.ホランド局長に指示した。

FFTF は出力40万kW のナトリウム冷却実験炉で、液体金属高速増殖炉 (LMFBR) 計画における新型燃料と放射性物質の実験、医療用および工業用放射性同位元素生産のために82年から92年まで運転された。

エイブラハム長官は FFTF の閉鎖に関する連邦政府決定の執行を90日間延期し、同炉の処遇に影響すると思われる情報のすべてを専門家に再審査させることにしたもの。具体的な作業は、(1) 医療用アイソトープおよび原子力研究や宇宙開発のためのプルトニウム238 生産という FFTF の当初の使用目的に関する既存の調査結果、報告書、評価書、環境影響評価のすべてを再審査する (2) FFTF の当初の利用目的および潜在的な利用の可能性など運転継続に関心を持つ民間、公共部門から十分な見解を引き出す (3) 公聴会を通じて出資者達をさらに説得する機会を得る−などとなっている。

ホランド局長はこれらの結果は報告書にまとめ、エイブラハム長官に提出することになる。同局長は原子炉および大型原子力施設の運転で25年の実績があるほか、DOE では10年にわたって研究炉の運転や施設の廃止措置、環境復旧などの監視作業に従事。また、使用済み燃料の海上輸送や大型設備の起動および廃止など複雑なプロジェクトの遂行でチームの指揮にあたった経験も抱負だ。


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