[原子力産業新聞] 2001年8月2日 第2098号 <1面>

[プルサーマル協議会] 地域に根ざした理解活動へ

生産地と消費地の対話促進

プルサーマル連絡協議会は8日、第3回目の会合を開き中間とりまとめを行った。主宰する古川貞二郎内閣官房副長官はこのなかで、「国民合意や立地地域と消費地域の相互理解にむけた努力が問題解決の原点」と述べるなど、核燃料サイクルの必要性の明確化や国民合意形成、プルサーマル計画の改めての方針明確化、立地地域・消費地域との対話促進の4点を柱に、官民あげて対策を強化することを申し合わせた。

見学者100万人めざす

対策の強化のなかでも、特に国民合意形成については、原子力発電所見学者を年間100万人目標に拡充する体制をつくり実際に現場を見てもらう対応をはかるほか、エネルギー教育の面から、来年度から始まる「総合学習の時間」を活用することを念頭に、教材充実や外部講師登録・派遣実施、関連情報の窓口を設置する方針だ。さらに情報発信について、双方向的な情報の交流を重視し、各地にエネルギー・原子力等の仕事に携わった人材や自然科学等の教育に携わった人材を公募を通じてエネルギー相談員として配置することを考えているという。また、「双方向コミニュケーションセンター」(仮称) を設置し、あらゆる質問に応じる体制を構築する方針だ。

国としても、すでに経済産業省が7月1日から原子力担当の大臣官房参事官を置いて立地地域との対話などを進めているが、これに加えて、同省にエネルギーに関連する情報の交流を促進する専門的な職員を置いて全国の原子力発電所立地地域を担当、また地域の理解活動の連絡調整を司る窓口を設置する。また省内の職員で構成するキャラバンチームを編成して原子力にかぎらずエネルギー全般について各地で積極的に説明してまわる活動を開始する方向で検討を進めている。関係省庁が連携してこうした対応を順次具体化していく方針。

これに加え、経済界では、10月5日には柏崎商工会議所と東京商工会議所が交流シンポジウムを開催する予定で国もこれに出席して協力を進める予定。また自治体レベルでも立地地域と電力消費地の相互理解を深めるシンポジウムの開催が進められる方向で、10月には島根県鹿島町で同趣旨のシンポジウムが予定されており、国もこうした機会拡大を支援する。


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