[原子力産業新聞] 2001年9月6日 第2102号 <3面>

[米国] 160万kW分の出力増強へ

5年間に申請審査へ

米原子力エネルギー協会 (NEI) が8月10日付けで伝えたところによると、米国原子力規制委員会 (NRC) は7月末、今後5年間に46基の原子炉について合計160万kW 分の出力増強申請を審査することになるとの調査結果を発表した。

申請書の NRC は出力増強審査を最重要許認可案件の1つととらえるなど高い優先順位を付けており、これらの審査は今後、なるべく日程を早めて実施するとの方針を明らかにしている。

米国の原子力産業界では77年に NRC がカルバートクリフス1号機で5.5%の出力増強を承認したのを皮切りに、今年6月末までに57基、約250万kW 分の出力増強申請を承認。最新の例では7月31日にホープクリーク発電所で1.4%、15MW 分の出力増強を認めたとしており、同発電所では今後9月末までに出力を上げるための作業を実施する。申請の承認にあたって NRC スタッフは、原子力蒸気供給系のほかに計装制御系、電気系統、事故評価、運転および技術仕様の変更など様々な分野で安全性の評価を行い、設備の若干の改造により原子炉の出力を安全に増強できることを確認したとしている。

NEI のR.ビードル副総裁は、現在米国で稼働する原子炉103基がクリーンで信頼性が高いこと、同国のエネルギー需要を賄うのに十分な電力を供給できる点を強調するとともに、電力の競争市場においても99年実績でキロワット時あたり1.83セントと最低の発電コストを記録するなど競争力の高さを改めて訴えた。


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