「量子放射線利用普及連絡協議会」第12回会合を開催


当協会は昨年12月15日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第12回会合を開催し、東京大学名誉教授・日本学術会議副会長・内閣府食品安全委員会専門委員 唐木 英明 氏から「放射線はなぜ嫌われるのか〜食品の例から不安の原因を考える〜」について、また、前(独)農業・食品産業技術総合研究機構理事・食品総合研究所長で、現聖徳大学・教授の林 徹 氏から「食品照射の過去・現在・課題」について、ご講演いただきました。

唐木氏からは、「放射線がなぜ嫌われるか」について、放射線が嫌われる背景と、食品の残留農薬や食品添加物が嫌われる背景は同じと思われるため、食品の例から不安の原因を考えたことについて講演された。人間が何か判断する際には、様々な危険を逃れるため、その判断を一瞬で行う必要があり、直感的な判断(ヒューリスティック)によることがほとんどである。人が正しい判断をするためには、豊かな知識と経験が必要であるが、現代は、「信頼する人=メディア」になっており、メディアの影響が大きいため、唐木氏らは、メディア対策の必要性を感じ、メディアとの勉強会(「食の信頼向上をめざす会」)や不適切な報道の防止に努めるリスク管理活動を実施していることなどが紹介された。

林氏からは、今回の講演が、食品総合研究所退職後、初めての食品照射に関する講演とのことで、今まで様々な配慮からなかなか実情を語れなかったことについても、お話いただいた。食品照射の歴史と共に、なぜ日本で食品照射が進まなかったのか、反対派の動きと役所の対応等々について、実体験をもとに話された。最後に、長年食品照射に携わってきた後に、食品照射の仕事から離れて、食品照射について客観視した時に感じたことは、物事の成否を左右するものとして、「政治、社会、経済のダイナミズムに敵うものはない」ということであった、と講演を締めくくられた。

その後、質疑応答において、リスク教育や食品照射について、様々な議論がなされた。

詳しくは、以下をご覧ください。
    「量子放射線利用普及連絡協議会」第12回会合・議事メモ  (PDF, 282KB)

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