「量子放射線利用普及連絡協議会」第17回会合を開催


当協会は6月6日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第17回会合を開催し、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部インターフェロン・生体防御研究室室長の宇野 賀津子 氏から、「低線量放射線の生体への影響と食の重要性〜科学者としてできることは何か」について、(独)放射線医学総合研究所放射線防護研究センター上席研究員の神田 玲子 氏から、「放射線による健康影響とリスクコミュニケーション」について、ご講演いただきました。

「今からの生き方で20年先、30年先が違ってきます!」これは、宇野氏が福島に行ってまずお話しすること。宇野氏は、エイズパニックが起きた際に、科学者の無責任な発言が感染者の登校を困難に追い込んだことから、科学者としての責任を果たすことの重要性と、今後の福島での低線量放射線の害を克服する方法として、抗酸化食、つまり、緑黄色野菜と果物をしっかりと摂取することを提案している。福島での講演会では、地元の放射線量の測定を行い具体的なアドバイスを行うと共に、福島の方から「偉い先生に来ていただくより、アロマテラピーの方が歓迎」と言われた事から、以前からあたためていた化粧療法の導入を提案し、乳液を使ってのハンドマッサージを施した後に講演を行うという活動を行っている。

神田氏はまず現在行われているリスクコミュニケーションの問題点として、放射線の理解を妨げるいくつかのハードルがあることを解説した後、リスクを受容する/しないは情報の受け手が判断するものとして、そのための情報提供が重要であると述べた。また今後、コンセンサスコミュニケーションが重要になるという見方を示し、線量限度と参考レベルといった制限値の違いや防護の最適化について説明した。最後にリスクコミュニケーションは特効薬でも万能薬でもないこと、リスクコミュニケーションを行う側が大きな精神的ストレスを抱えることもあるので、職業として行う場合は職場の配慮も必要といった意見を述べた。

講演後、低線量放射線のリスクやリスクコミュニケーション等について、活発な意見交換がなされた。

詳しくは、以下をご覧ください。
    「量子放射線利用普及連絡協議会」第17回会合・議事メモ  (PDF, 235KB)

以上

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