「量子放射線利用普及連絡協議会」第18回会合を開催当協会は12月5日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第18回会合を開催し、岩崎電気(株)研究開発部 の木下忍部長から、「最近の低エネルギー電子線加速器の産業利用」について講演いただいたほか、当協会政策・コミュニケーション部の小林 雅治リーダーから、「最近の世界の原子力発電動向」について説明を行いました。 木下部長からは、低エネルギー電子線加速器の変遷から始まり、現在利用されている技術の紹介として、主に1)印刷、2)グラフト重合(消臭、抗菌)、3)殺菌・滅菌等について具体的に説明いただきました。主な内容は以下の通り。 ・1970年代に300kV以下の「低エネルギー電子線加速器」が登場した当時は、「限界は150kV!」とされていたが、今は、超低エネルギー電子線加速器として「50kV〜110kV」加速電圧の電子線加速器が実用化されている。超低エネルギー電子線加速器の大きなメリットは、装置がコンパクト(卓上型もある!)で、低価格、照射基材へのダメージが少ないこと。 ・電子線の産業利用により、高速で高鮮明度の優れたオフセット印刷やフレキソ印刷が可能となり、消臭性能が非常に高い消臭繊維等が商品化された。近年は、ペットボトルの無菌化技術が実用化され、薬剤コストや排水処理費用の大幅な低減に繋がっている。 小林リーダーからは、1953年のアイゼンハワー米大統領の「Atoms for Peace」国連総会演説の紹介に始まり、IAEA世界の原子力発電予測(2013年版)やIEA「世界のエネルギー展望」(WEO2013)の内容にも触れて、福島事故後の世界・各国の原子力発電動向についての説明がなされました。主な内容は以下の通り。 ・IAEAの最近の予測では、「今後の20年間、原子力発電の世界、特にアジアでの利用が伸び続ける」、また、IEA「世界エネルギー展望」(WEO2013)では、「原子力発電規模は2012年の3.94億kWから2035年には5.78億kWに増大し、太陽光は2011年の0.69億kWから2035年には、6.9億kWに増大するが、発電量は原子力の5分の1程度にとどまる」など。「世界の原子力開発の流れ」は、1950年代は「導入期(草創期)→1960年代は「成長期」・1970年代「成長促進期」→1979年の米TMI事故、1986年のチェルノブイリ事故後の1980年代は「減速期」・1990年代「停滞期」→2000年代は「復活期」であったが、2011年に福島第一事故が起こった。しかし、同事故後も原子力発電は世界で継続されており、多くの新規導入の計画があるため、2010年代は「新規導入国時代(安全性強化期)」になると考えられる。 詳しくは、以下をご覧ください。 以上
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