What is the WNU?
WNUは、故アイゼンハワー米大統領の「Atoms for Peace」演説50周年を記念に、原子力の平和利用のための国際的な教育訓練計画を進める連携(パートナーシップ)活動として、下記の機関を中核に2003年ロンドンに設立され、約30ヶ国の主要な原子力教育機関が連携機関として登録している。理事長(President)は元米国在ウィーン国連代表部大使J. Ritch、会長(Chancellor)はIAEA名誉事務局長H. Blix。
- ・ 世界原子力協会 World Nuclear Association (WNA)
- ・ 世界原子力発電事業者協会 World Association of Nuclear Operators (WANO)
- ・ 国際原子力機関 International Atomic Energy Agency (IAEA)
- ・ 経済協力開発機構原子力機関 Nuclear Energy Agency of the Organization for Economic Cooperation and Development (OECD-NEA)
ロンドンにあるコーデイネーションセンター(WNUCC)を基地に、「教育とリーダシップ養成」という共通の目的を目指している。WNUは公的組織、民間組織との連携で運営されている。公的には各国政府から派遣されている原子力専門家の事務局員、IAEAからの資金的支援を得、民間組織からは資金的支援の他に運営上の協力を得ている。
Structure and Resources
コーデイネーションセンター(WNUCC)は、理事長の下で、政府あるいは有力企業から派遣される国際経験豊かな原子力エキスパートで運営される。2008年春現在、WNUCCには米仏ロ韓加の5ヶ国からのスタッフが勤務している*1。
発足当初のWNUは自弁の派遣参加者を中心とする運営だった。例外はIAEA技術協力資金が途上国からの参加を促した点である。第二段階になると、奨学金制度を設ける構想に広がってきた。
各国の参加機関、ネットワーク代表
Why the WNU?
人口増と技術進歩に合わせてグローバル経済は拡大している。そこでは持続的発展という緊急の事態に対応する以上の課題に面している。中でも、環境に致命的影響を与えずに世界経済を推し進め、人類のニーズに応える総合的なエネルギー技術を見つけ出すことが最重要な課題である。
化石燃料の枯渇懸念と価格高騰、とりわけ炭素その他の排出ガスが及ぼす健康と大気への危機的悪影響に強まる科学的心配を受け、原子力の役割に全世界の主要国で再評価の動きが広がっている。
原子力発電を世界に広げることはクリーンエネルギーの役割にいくつもあると考えられている。それは、従来の発電に留まらず、危機的な水不足に対処する海水淡水化への利用であり、水素製造への利用であり、次世代車両用のバッテリーへの利用である。
先進国・途上国の人口、とりわけまだ原子力を利用していない主要国の人口を考えるとき、21世紀のエネルギーおよび環境セキュリテイー戦略における原子力発電の核心的重要性を訴える各国政府に、ことことは現れている。1次エネルギー源として安全で、信頼性のある、そして、より高い経済性を実証してきた原子力技術に基づいて政策に取り入れられて来たことが、世界的な「原子力ルネッサンス」を齎しているのである。
発電だけでなく医学、農業、産業における多様の応用で、原子力技術利用が世界的に広がると言う見通しは、21世紀における原子力プロフェッショナルが世界的にますます大規模に必要になるということである。WNUは、その養成を援けるために以下のことを役割としている。
- ・ 原子力科学、エンジニアリング、法規教育の強化
- ・ 原子力技術への公衆理解推進
- ・ 原子力産業界における次世代リーダー養成の推進強化
----------------------------
備考*1: 派遣機関は、米(不明)仏(AREVA)ロ(TENEX)韓(KAERI)加(AECL)である(原産調査)。その他、インド、英国からの派遣が見込まれ、日中2ヶ国とは協議進行中である。
|