規制委、東京電力より福島第一海水配管トレンチの高濃度汚染水除去について説明受ける
原子力規制委員会は8月5日、東京電力福島第一廃炉カンパニーより、7月30日までに高濃度汚染水の除去が完了した福島第一原子力発電所2、3号機海水配管トレンチの状況について説明を受けた。
東京電力では、タービン建屋につながる2、3号機海水配管トレンチ内に高濃度汚染水によるリスク低減のため、2013年10月より、モバイル式処理装置による汚染水放射能濃度の低下、建屋接続部凍結による流入回避、トレンチ内部の充てん・閉塞、汚染水の移送など、対策に取り組んできた。海水配管トレンチ止水・閉塞工事に際しては2014年11月、氷・ドライアイス投入や間詰め充てんなどにより一定の効果はあったものの、完全な止水には至らなかったため、滞留水が存在する状態でのトレンチ本体の充てん・閉塞を実施することになった。水中でも分離せず充てん性の高い閉塞材料の選定など、追加対策を講じた上で、水位管理を行いながら施工が進められ、6月末に2号機、7月末に3号機と、合わせて約10,000立方メートルの汚染水除去を完了することができた。
これに対し、規制委員会の田中俊一委員長は、リスク低減の取組に評価を示す一方で、今後、廃止措置を進める上で廃棄物管理が長期的課題となることにも配慮し、福島第一に係る進捗チェックを行ってきた「特定原子力施設監視・評価検討会」のあり方など、体制の見直しに着手する考えを述べた。