総合エネ調放射性廃棄物WG、「国民対話月間」の取組を振り返る

2015年11月26日

 総合資源エネルギー調査会の放射性廃棄物ワーキンググループ(委員長=増田寛也・野村総合研究所顧問)は11月25日、5月の最終処分基本方針改定後に実施された理解活動について、主に、10月の「国民対話月間」の全国シンポジウム、少人数ワークショップなどの取組を中心に、委員間で意見交換を行った。
 高レベル放射性廃棄物処分地選定が進まぬところ、改定基本方針では、国が前面に立った取組として、科学的により適性が高いと考えられる地域「科学的有望地」を提示し、調査活動への理解と協力について、関係地方自治体に申し入れを行うものとされている。一方、処分地問題に関する全国大での対話活動強化期間「国民対話月間」では、全国9都市でのシンポジウム、10~20人規模の少人数ワークショップが行われ、地層処分の必要性や進め方の他、「科学的有望地」の考え方の背景や処分地選定上の位置付けについて、ワーキンググループの委員らが質疑応答に当たるなどした。25日の会合では、これらの取組について資源エネルギー庁が説明し、(1)国民対話の継続、(2)幅広い層や地域へのアプローチ――が今後の課題としてあげられた。
 その中で、これまでの対話活動を振り返り、処分地に求められる適性の考え方と背景にある科学的知見については、杤山修委員(原子力安全研究協会技術顧問)を委員長とする技術ワーキンググループでの検討状況を踏まえ、情報を提供してきたものの、一般的な理解が十分に進んだとは言えず、引き続きわかりやすく説明できる素材の充実に努めていくとしている。また、大規模なシンポジウムでは十分アプローチできていない若年層や女性層については、出前授業や少人数意見交換会により接点を拡大していくほか、教育関係者のネットワークも活用し、学校教育での取扱いも検討すべきなどと振り返っている。