東京電力の「第三者委員会」が報告書、迅速かつ正確な通報や社員間の情報共有など提言

2016年6月17日

 東京電力の福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告の経緯・原因を検証する「第三者検証委員会」(委員長=田中康久氏〈弁護士〉)は6月16日、約3か月にわたる関係者へのヒアリング、資料確認調査などを終え、廣瀬直己・東京電力ホールディングス社長に報告書を手渡した。
 原子炉の状況に関する公表の遅れが立地地域より指摘されていたことなどから、同社では「第三者検証委員会」を立ち上げ、事故当時の社内マニュアルや通報・報告内容について調査を行った。今回の報告書では、(1)官庁や地元住民に必要な情報を迅速かつ正確に通報する姿勢を徹底、(2)社員間の情報共有を進めるための方策を検討、(3)全電源喪失などの過酷事故を想定した防災訓練を実施――するよう提言している。
 これを受けて、廣瀬社長は、「報告書の内容を厳粛にそして全面的に受け止めるとともに、今後報告書を十分に確認・精査し、早急に具体的な対応策を取りまとめる」とするコメントを発表した。