関西電力、美浜3号の60年運転に向けた安全性向上対策工事計画を発表
関西電力は6月8日、美浜発電所3号機(=写真右)の60年までの運転に向けた安全性向上対策工事計画を発表した。同機は、原子力規制委員会より昨秋、新規制基準への適合性とともに、60年までの運転期間延長に係る認可を取得しており、今後、再稼働に向けて、美浜発電所固有の耐震性向上工事を始め、火災防護、津波対策などの大型工事を2020年1月までに完了する計画だ。
美浜3号機では、同じく60年運転の認可を得ている高浜発電所1、2号機と同様、中央制御盤取替工事、火災防護対策工事を行うほか、基準地震動の見直しに伴う同機固有のものとして、使用済み燃料ピットラック(使用済み燃料を収納する支持構造物)について、耐震性を向上した「フリースタンディングラック」方式に取り替える工事などを実施する。「フリースタンディングラック」方式は、使用済み燃料ピットの床にラックを固定させないことで、ラックを囲む外周板が受ける水との抵抗と床との摩擦により、地震力を軽減させる構造となっている。
関西電力では、40年以降の原子力発電プラント運転の必要性、安全性について、工事の実施状況について適宜報告するなど、地元への理解活動に努めていくこととしている。