原産社員総会 原子力再生に向け着実な再稼働で安全運転の実績積み重ねを
2017年度の原産協会定時社員総会が6月15日、都内で開催され、2016年度の事業報告と決算案、2017年度事業計画・収支予算案が承認され、新理事が決定した。
今井敬原産協会会長は冒頭の挨拶で、日本はパリ協定の枠組みの中で温室効果ガスの削減を約束しており、目標達成のためには既設の原子力発電所の再稼働に加えて40年を超える運転期間延長や新増設が必要になると訴えた。 また技術や核不拡散に関する諸外国からの期待に触れ、日本の産業界に対し世界の中核を担う自覚を促した上で、我々自らが原子力発電の価値を再確認し、わが国の繁栄に貢献していかなければならないと力説した。今後、福島第一原子力発電所事故を乗り越えて原子力を再生していくためには、廃止措置や福島の復興に着実に取り組むとともに、国民の理解促進と安全性の追求、人材の確保・育成が不可欠であるとし、原子力発電所を実際に運転して安全運転の実績を積み重ねていくことこそが国民の安心や信頼につながると強調した。
来賓として出席した井原巧経済産業大臣政務官は、福島第一原子力発電所で今夏を目途に号機毎の燃料デブリ取り出し方針を決定することや、継続的な原子力の安全性向上のための自律的システムを確立していくことなどへの意欲を語り、中長期的なエネルギー政策の方向性についてもしっかりと検討し、今後も日本のエネルギーにおける原子力の重要性を踏まえながら責任あるエネルギー政策を実行すると力を込めた。松野博一文部科学大臣の挨拶を代読した同省の田中正朗研究開発局長は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の安全かつ着実な廃止措置や、「国際原子力人材育成イニシアティブ」を通じた産学官ネットワークの構築や研究炉実習の実施、「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」による福島第一原子力発電所廃炉人材育成などについて説明し、引き続き産業界と手を携えて原子力に関する研究開発や人材育成を進めていくと強調した。