東京電力、柏崎刈羽6、7号のIAEA/OSARTフォローアップ調査報告書を公表

2017年11月22日

 東京電力は11月22日、2015年に柏崎刈羽原子力発電所6、7号機を対象に行われたIAEAの運転安全調査団(OSART)による評価を踏まえ、今夏に受け入れたフォローアップ調査の報告書を公表した。OSARTが指摘していた15の課題については、8つの課題について「解決」、7つの課題については「満足な進捗」がみられるとしており、「発電所の運転上の安全と信頼性向上に取り組んでいる」と結論付けられている。
 OSARTは、IAEAが実施するプラントの運転安全評価レビューで、日本ではこれまでに、東京電力福島第二(1992年)、同柏崎刈羽(2004年)、中部電力浜岡(1995年)、関西電力美浜(2009年)、同高浜(1988年)で実施されているほか、世界でも100を超えるプラントで実績がある。2015年の柏崎刈羽6、7号機への受入れについては、同年1月に宮沢洋一経済産業相(当時)が、IAEAの天野之弥事務局長との会談で、「福島第一原子力発電所事故を踏まえ、運転安全性向上に関する取組の経験を世界に共有していく」と表明し合意に至った。
 東京電力は、2015年6~7月の柏崎刈羽6、7号機へのOSART評価で、「良好事例」として、津波対策や緊急時対応訓練などがあげられた一方、組織対策やマニュアルの運用など、運営面を中心に「推奨」(6件)や「提案」(9件)に該当する事項が指摘された。フォローアップ調査は、こうした指摘事項に対し、2017年7月31日~8月4日に調査団が発電所を訪問し、インタビュー、文書レビュー、現場視察などを通じ、18~24か月後に改めて対策の有効性や進捗状況を確認・評価したもの。
 これを受け、東京電力では、「フォローアップミッションの評価結果をしっかりと対策に活かし、さらなる改善に継続的に取り組むことにより、地域の皆様から信頼され安心してもらえる発電所を目指していく」とコメントしている。
 なお、柏崎刈羽6、7号機の再稼働に向けては、10月4日に原子力規制委員会で新規制基準に適合としているとする審査書案が取りまとめられた。