規制委と電力の原子力部門責任者らが新検査制度などをテーマに意見交換
原子力規制委員会は1月10日、関西電力の森中郁雄常務執行役員、中部電力の倉田千代治副社長らと意見交換会を行った。個別の審査案件とは切り離し電気事業連合会の要望を踏まえ随時行われているもので、技術的検討も含めたテーマに応じ1、2名の委員、原子力規制庁幹部、電力会社の原子力部門責任者が公開の場で話し合う。
これを受け、プラント関連の審査を担当する山中伸介委員は、「事業者側と規制側の適切な信頼関係が必要」として、さらに習熟を図るフェーズ2(2019年4~9月)に向け改めてコミュニケーションの重要性を強調した。また、新制度導入に伴う意識の変革に関する伴信彦委員からの問いかけに対し、森中氏は、原子力事業者全般の年齢構成の現状について触れながら「若手にはすぐ浸透しても、高齢層にとっては簡単ではないと思う。やはり現場できちんと話し合うことが重要」などと応えた。
前回の意見交換会でも取り上げられた7月発足の「原子力エネルギー協議会(ATENA)」について、倉田氏が最近の取組状況を説明し、「規制側との一元的なカウンターパート」の役割、技術課題として検討を進めている自主ガイドと他の学協会規格との整合性に関して意見が交わされた。ATENAでは、規制委員会との対話に向けて電事連のワーキンググループとの役割分担を、自主ガイドとしては今春発行予定でサイバーセキュリティに備えた対応方針取りまとめを進めている。
この他、規制側からの要望として、山中委員が、昨今関心が高まっている非常用ディーゼル発電機のトラブル対策や、プラント本体審査以降5年間の猶予が与えられている「特定重大事故等対処施設」について適切な対応を求めるなどした。