三菱電機、米ホルテック社と「SMR-160」向け計装制御システムの設計契約
23 Mar 2022
ホルテック社に採用される計装制御システム「MELTAC Nplus S」(三菱電機発表資料より引用)
三菱電機は3月23日、米国子会社の三菱電機パワー・プロダクツを通じて、米国ホルテック・インターナショナル社と、小型モジュール炉「SMR-160」(軽水炉方式、16万kW)向けの計装制御システムの設計契約を締結したと発表した。〈三菱電機発表資料は こちら〉
「SMR-160」は、ホルテック社の子会社であるSMR社が開発中の次世代炉で、事故時にも外部からの電源や冷却材の供給なしで炉心冷却が可能な受動的安全系を備えている。ホルテック社は、2020年12月に米国エネルギー省(DOE)の「先進的原子炉建設の実証プログラム」(ARDP)による支援金の対象企業として選定された。ARDPで、「SMR-160」は「実用化時期:2030~34年」のカテゴリーに位置付けられており、資金援助額は7年間で1億1,600万ドル。同社では「SMR-160」実証炉建設に向けた設計・エンジニアリングや許認可手続きを進めている。
三菱電機とホルテック社は、ARDP選定を受け実証炉建設計画の一部が具体化したことを受け、「SMR-160」向けに2016年から共同開発を進めてきた計装制御システムの設計をもとに、実証炉建設に向けた設計を加速している。三菱電機は、今回の設計契約のもと、計装制御システムの機能や運転性を検証するシミュレーターの製作を行う。「SMR-160」には、三菱電機製の計装制御システム「MELTAC(メルタック)」が採用される計画。同社は、米国の規制に準拠した品質保証プログラムをもとに、米国向け計装制御システム「MELTAC Nplus S(メルタックエヌプラスエス)」の開発を完了し、2018年に米国原子力規制委員会(NRC)から米国の原子力発電所への適用許可を取得済みだ。