美浜3号機が運転再開 特重施設の整備完了
28 Sep 2022
美浜発電所全景(右が3号機)
関西電力の美浜発電所3号機が9月26日、昨秋より行われていた定期検査の最終段階となる総合負荷性能検査を終了し、11か月ぶりに本格運転に復帰した。〈関西電力発表資料は こちら〉
同機は2021年7月、国内初の40年超運転として新規制基準をクリアし再稼働(本格運転入り)。その後、10月にテロ対策となる「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設置期限を迎え定期検査に入っていた。7月28日に特重施設の運用を開始し、このたびの運転再開となった。40年超運転のプラントで、特重施設が運用を開始したのは初のことである。
現在、関西電力の原子力発電所では、特重施設の整備が進められている。高浜3・4号機では、それぞれ2020年12月、2021年3月に。大飯4号機では2022年8月に、特重施設の運用が開始された。このほか、40年超運転に係る原子炉設置変更許可が発出された高浜1・2号機では、それぞれ2023年5、6月の特重施設運用開始を目指している。
なお、美浜発電所については、同所を対象に、原子力災害対策特別措置法に基づく2022年度原子力総合防災訓練を11月上旬に実施することが、9月28日の原子力規制委員会定例会合で内閣府(原子力防災)より説明された。今回の訓練では、「福井県嶺南を震源とした地震が発生。これにより、運転中の美浜3号機が緊急停止。原子炉冷却材の漏えいが発生するとともに、設備の故障が重なり、蒸気発生器冷却機能、原子炉注水機能を喪失する事象が発生」との想定のもと、県外へも含めた住民避難など、国、地方公共団体、原子力事業者における防災体制の実効性を確認する。〈規制委発表資料は こちら〉