原子力産業新聞

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日・ミクロネシア会談 パニュエロ大統領が福島第一ALPS処理水に係る取組に理解

03 Feb 2023

岸田首相(右)がミクロネシアのパニュエロ大統領と会談©Cabinet Public Affairs Office, Cabinet Secretariat.

岸田文雄首相は2月2日夕刻、ミクロネシアのデイビッド・W・パニュエロ大統領と総理官邸で会談。両国間の協力関係のさらなる発展に向けたコミットメントを確認する中で、福島第一原子力発電所で発生するALPS処理水[1]トリチウム以外の核種について環境放出の規制基準を満たす水の取扱いについても話し合った。〈外務省発表資料は こちら

岸田首相は、「ALPS処理水の海洋放出は、環境および人の健康に害がないことを確保した上で実施されること、日本は引き続きIAEAのレビューを受けつつ、太平洋島しょ国・地域に対し、高い透明性をもって科学的根拠に基づく説明を誠実に行っていくこと」を説明。これに対し、パニュエロ大統領は、駐ミクロネシア日本大使によりALPS処理水に関して透明性ある説明がなされていることに謝意を表明。その上で、「以前に国連総会で述べたほどの恐れや懸念はもはや有していない。こうした説明によって、今や、われわれが共有する海洋資産および資源を傷つけないという日本の意図、技術力をより深く信頼している」として、ミクロネシア国内のALPS処理水に係る理解に向けた日本の取組を高く評価した。

日本および大洋州の計19か国・地域の首脳が参加した第9回太平洋・島サミット(2021年7月、テレビ会議)で、菅義偉首相(当時)は、「国際基準を踏まえた規制基準を遵守してALPS処理水の海洋放出を行うこと、IAEAと緊密に協力し、科学的根拠に基づく説明を引き続き提供すること」を説明している。

日本と太平洋島しょ国との首脳レベルの会談でALPS処理水について話し合われた最近の例としては、2022年9月の日・パラオ会談があり、その中で、パラオのスランゲル・S・ウィップス・Jr.大統領は、岸田首相による説明に対し、日本の「緊密な対話を継続する」との意向に歓迎の意を示した。

ALPS処理水の海洋放出開始時期については、去る1月13日の関係閣僚会議で、「本年春から夏頃と見込む」とされ、政府では引き続きALPS処理水の性状や安全性に関し、関係省庁の連携による国際社会への戦略的な情報発信に努めている。外務省では、在京外交団向けテレビ会議説明会の他、昨年末にはユーロニュース社(フランスに拠点を置く欧州のニュース専門放送局)とタイアップし、専門家や福島の方々へのインタビューも交えた短編の解説番組を制作。ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、トルコ語、ペルシャ語、アラビア語など、多言語で全世界に放送されている。

脚注

脚注
1 トリチウム以外の核種について環境放出の規制基準を満たす水

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