原子力産業新聞

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基本政策分科会 半年ぶりに

30 Jun 2023

総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会(分科会長=白石隆・熊本県立大学理事長)が6月28日に開かれ、「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」と関連法成立を受けた今後のエネルギー政策のあり方について意見交換を行った。同分科会の開催は半年ぶり。〈配布資料は こちら

その中で、杉本達治委員(福井県知事)は、GX脱炭素電源法(脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律)の成立に関し「国の責務や基本的施策が示され、原子力政策の明確化に向けた大きな一歩となった」と評価。一方で、「将来の原子力の必要な規模とその確保に向けた道筋についてはまだ明らかになっていない」と述べ、エネルギー基本計画の見直しをできるだけ早期に検討するよう求めた。現行のエネルギー基本計画(第6次)は2021年10月に閣議決定。エネルギー政策基本法で少なくとも3年ごとの見直しが求められている。

この他、原子力技術の重要性を訴え続けてきた隅修三委員(東京海上日動火災保険相談役)は、「地域間の電力価格格差の最大要因は原子力が稼働しているかだ」と指摘し、再稼働の促進に向け国が前面に立った取組を切望。遠藤典子委員(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート特任教授)は、原子力発電所部材製造現場の内外視察経験にも言及し、日本の国際競争力停滞やサプライチェーン消滅の危惧から「新増設に向けた具体的制度設計が急務」と強調した。

また、最近のエネルギー戦略の動きから、水素・アンモニアの導入促進、浮体式洋上風力発電による産業競争力強化への期待や、エネルギー政策と雇用対策・産業政策・資源循環政策との連携、脱炭素化における企業評価に関する意見、今後のエネルギー基本計画見直しに向けては、科学的レビューや国民対話を求める意見も出された。

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