原子力産業新聞

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東芝ESS他がUAE企業と覚書

21 Jul 2023

覚書調印に臨む東芝ESSの四柳社長(左)とNAWAH社のSaleh Al Shehhi COO(東芝ESS発表資料より引用)

岸田文雄首相のアラブ首長国連邦(UAE)訪問を契機に、同国企業と日本企業・組織との間で原子力・放射線利用分野の覚書締結が行われている。7月21日までに、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)、量子科学技術研究開発機構(QST)がそれぞれ、UAEの原子力発電所の運転・保守を行うNAWAH社、医療技術企業「M42」と覚書を締結した。

岸田首相は7月17日、UAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と会談。UAEからの長年にわたる原油の安定供給に謝意を表明し、脱炭素化やクリーンエネルギーに関する協力の強化や、本年、同国が開催国となるCOP28の成功に向け、国際社会における気候変動対策に向けた行動をともに主導することで一致。また、日本貿易振興機構(JETRO)とUAE経済省が主催する「日・UAE・ビジネス・フォーラム」に出席し、UAEの政府・企業関係者に対し、「UAEの経済多角化と産業発展の実現に向けて、日本の官民の力を積極的に活用して欲しい」と強調している。

東芝ESSは21日、NAWAH社と、保守管理、サプライチェーンの強化、産業育成、カーボンニュートラル達成に向けた協力関係の推進に焦点を当て覚書を締結したと発表。UAEでは現在、バラカ原子力発電所のプラント3基(140万kWの韓国製PWR「APR1400」)が商業運転中で、4基目も運転準備段階にある。UAEの原子力会社(ENEC)の合弁子会社であるNAWAH社は、サプライチェーンおよび同発電所の安全な運転を強化する計画を推進している。東芝ESSは、こうした計画をサポートし、発電所の継続的な安定操業につなげていく。同社は、アラブ初の商業炉バラカ1号機(2021年4月営業運転開始)に蒸気タービン・発電機を納入した実績を有している。

また、QSTは18日、「M42」と重粒子線がん治療研究分野において研究協力覚書を締結したと発表。QSTの小安重夫理事長は「重粒子線がん治療の普及が一層進み、がん死亡ゼロ健康長寿社会の実現にまた一歩近付く」とコメントしている。

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