原子力産業新聞

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EU他 日本産食品の輸入規制撤廃

03 Aug 2023

日本産食品輸入規制の現状(外務省ホームページより引用)

欧州連合(EU)は8月3日、福島第一原子力発電所事故以降、日本産食品に課してきた輸入規制を撤廃した。7月13日にベルギー・ブリュッセルで行われた日EU定期首脳協議において公表され、関係規則が発効したもの。〈既報

また、ノルウェーとアイスランドも8月3日、同様に、関係規則に係る国内手続きが完了し、日本産食品に対する輸入規制を撤廃した。両国とも漁業が盛んで捕鯨国でもあることから、こうした国々の動きは、被災地復興を後押しするとともに、韓国、中国、台湾、香港などで依然として、継続している日本産食品輸入規制の緩和・撤廃や、日本の水産業に対する海外からの理解につながることが期待される。

これで、55か国・地域で行われてきた日本産食品の輸入規制は、9か国・地域に減少した。

松野博一官房長官は8月3日午前の記者会見で、欧州諸国による規制撤廃の動きを歓迎する一方、「一部の国・地域において規制が維持されていることは残念」とした上で、「政府として、日本産食品については、厳格な安全対策を講じ、『科学的見地からすべて安全性を確保している』ことを引き続き丁寧に説明していく」と述べた。

原産協会の新井史朗理事長は、7月27日の記者会見で、EUの規制撤廃について「福島の復興を後押しするものであり、大いに歓迎する」とした上で、ALPS処理水[1] … Continue readingの海洋放出を理由とした中国や香港における放射性物質検査強化の動きに関し「環境や人に影響しない科学的根拠に基づく放出であることを、粘り強く国際社会に訴えていく」必要性を強調している。

脚注

脚注
1 多核種除去設備(ALPS)等により、トリチウム以外の放射性物質について安全に関する規制基準値を下回るまで浄化した水。海水と混合し、トリチウム濃度を1,500ベクレル/リットル(告示濃度限度の40分の1)未満に希釈した上で放水する

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