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英ニュークレオ社 小型高速炉の商業化で伊企業と協力

13 Oct 2023

両社首脳による協力協定の締結 ©Newcleo Ltd.

英国で2年前に設立された先進的原子炉技術の開発企業であるニュークレオ(Newcleo)社は109日、開発中の小型鉛冷却高速炉(LFR)の商業化に向けて、イタリアの機器製造企業であるトスト・グループ(Tosto Group)と協力・投資協定を締結した。

ニュークレオ社の現時点の計画では、2026年にLFRの電熱加熱式プロトタイプ装置を、2030年には実証炉「LFR-AS-30」(電気出力3kW)を完成させた後、2032年までに商業炉の「LFR-AS-200」(電気出力20kW)と、海上でも使用可能な「LFR-TL-30」(電気出力3kW)それぞれの初号機を建設。原子力・石油・ガスなどのエネルギー部門や、化学製品部門で大型機器の製造を手掛けてきたトスト・グループと協力していく考えだ。

今回結ばれた協定は、LFRの研究・設計から実証、商業化まですべての段階をカバー。ニュークレオ社によると、同グループの中でも主要企業であるイタリアのウォルター・トスト(Walter Tosto)社と、その傘下企業であるベッレーリ・エナジーCPEBelleli Energy CPE)社は、長納期の産業用機器の製造・供給実績があり、これらの企業が持つ製造ノウハウや幅広い実績、臨海地帯の製造プラント等をニュークレオ社の設計・エンジニアリング能力と統合、小型LFRの建設に活かすとしている。

ニュークレオ社のS.ブオノ会長兼CEOは、「LFRの建設では非常に意欲的なスケジュールを設定しているので、トスト・グループとの協力を通じてその基盤を固めたい」と表明。トスト・グループのL.トスト常務は、「ニュークレオ社は第4世代の原子炉技術開発リーダーなので、持続可能なエネルギーの開発や技術革新で協力し合い、当社が積極的な投資を通じて事業の拡大を目指している原子力部門に貢献したい」との抱負を述べた。

なお、ニュークレオ社はトスト・グループとの今回の協力に先立つ20223月、イタリア経済開発省の新技術・エネルギー・持続可能経済開発局(ENEA)とも協定を締結。同年から7年以内に、原子燃料や放射性物質を使わないプロトタイプのLFR装置を原子力推進国で建設することを計画中だ。また、同年6月には、LFRに装荷するウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)の製造工場建設に向け、英仏の両国でサイトを確保するため、仏オラノ社に実行可能性調査を依頼している。

(参照資料:ニュークレオ社の発表資料ウォルター・トスト社(イタリア語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNA1011日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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