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電事連・池辺会長 長期的需要想定の重要性を強調

20 Nov 2023

長期の電力需給・電化率の見通し(電事連発表資料より引用)

電気事業連合会の池辺和弘会長は、11月17日の定例記者会見で、将来の電力需給に関し、「電力需要を定量的に見定め、長期的な需給バランスを検討することは大変重要であり、エネルギーミックスを考える上での出発点」と述べ、まず需要想定の位置付けを整理することの重要性を強調した。〈電事連発表資料は こちら

池辺会長は、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が7日に始動した有識者会議「将来の電力需給シナリオに関する検討会」について言及。

同検討会は、資源エネルギー庁が4月に示した「10年超先の電力需給のあり得るシナリオ」について、

  • 建設のリードタイムが10年を超える電源も存在することから、シナリオ検討の時間軸として、2040年および2050年を対象とする
  • 将来的にはエリア別のシナリオを策定することを念頭に置きつつ、検討会においては、全国のシナリオを策定する
  • 「kW・kWhバランス」を検討することとし、将来的な調整力の必要量については、分析の進め方や論点を踏まえ検討を行う

――もので、2024年度末までの取りまとめを目指す。

初回会合の議論について、池辺会長は、「2050年カーボンニュートラルに向けて、2040年および2050年を対象に、多様な視点から、将来の電力需給シナリオを検討する方向性が確認された」と紹介。具体的なシナリオ想定は今後、検討会で作業が進められるが、同氏は将来の電力需要について、電化率の上昇やデジタル化の進展に伴い大きく伸びていくとの展望を明らかにするとともに、日本エネルギー経済研究所などの各機関の分析においても、発電電力量は、2020年度に約1兆kWhだったのが、2050年には約1.3兆~1.6兆kWhにまで増加するといった見通しにも触れた。

また、供給力に関しては、火力発電所の休廃止が進む中で新設が停滞。各種調査・環境アセス、建設工事など、今後の電源開発に要するリードタイムは、太陽光で約8年、風力で約10年、水力、地熱、水素で各々約13年、原子力で約20年と、相応の年月が見込まれることから、池辺会長は、「カーボンニュートラルを達成していくためには、時間軸を考慮した上で、既設電源の脱炭素化や新規電源の建設を計画的に進めていくことが重要」と強調した。

今後、同検討会が策定するシナリオは、法令に基づく各種計画・マスタープランとの整合性を前提とするものではないが、現行の「第6次エネルギー基本計画」は、来秋、エネルギー政策基本法に定める策定から3年後の改定時期を迎えることから、こうした中長期のエネルギー見通しに係る分析も検討材料となりそうだ。

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