原子力産業新聞

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原産協会 エネルギーミックスの理解に向けボードゲーム発売

12 Jan 2024

石川公一

日本原子力産業協会は、東北大学大学院工学研究科・遊佐訓孝教授らの協力を得て、「エレクトロネーション-エネルギーミックスボードゲーム」を1月26日に発売する。発売に先立ち、10日より予約販売を開始した。

原産協会では、遊佐教授の監修のもと、日本を代表するボードゲームデザイナーであるカナイセイジ氏(カナイ製作所代表)と宮﨑雄氏(WAZAgames)を、それぞれゲームデザイナー、アートディレクターに迎え、ボードゲームの開発を進めてきた。遊佐教授が2021年に論文発表したゲームを基に、カナイ氏らが幅広い世代層が楽しめるよう趣向を凝らした。エネルギーミックスがいかに国の発展・繁栄を左右し得るかを理解してもらうことが目的。ゲームを通じ、日頃の生活の中で、エネルギー問題を「自分ごと化」して考えるようになることが期待される。

ゲームの中で、各プレイヤー(2~5人)は、国家のエネルギー管理者となり、自らの国が必要としている電力供給量を確保し、温室効果ガス(GHG)排出量の規制を守りながら、国を発展させていく。ゲームカードに記載された発電設備や投資戦略を購入・駆使し、資源枯渇などの「イベント」を乗り越えながら、「各国にとってベストなエネルギーミックスの実現」を競うことがゲームの主軸。国ごとに特色が異なり、戦略性も大きく変わってくるので、遊ぶたびに異なる国のエネルギー管理者となることで何度遊んでも楽しめる設計となっている。

監修に当たった遊佐教授は、「エネルギーの持つ一長一短」を理解してもらえるよう、「エネルギーミックスについて自分で考える」ことを目指しゲームの制作に取り組んできた。「教材としてだけでなく一般向けに遊びやすいゲームに仕上がっている」と話す。ボードゲームはコロナ禍以降注目が集まり、家族・友人問わず楽しめる娯楽として人気が高まっている。遊佐教授の教材を「コンパクトで遊びやすいゲーム」に作り上げたカナイ氏は、ボードゲームについて「遊びとしての楽しさはもちろん、対面だからこそのコミュニケーションの楽しさがある」と話す。アートディレクターの宮﨑氏は「事実を歪めないことを大前提に、なるべく親しみやすい印象を与えるイラストやデザインになるよう心がけた」と語る。

発案者である原産協会の深澤伊弦さんは、「ゲームとしての面白さを追求した」「各電源のメリットデメリットを踏まえつつその国のベストミックスを実現する難しさを多くの人に実感してもらいたい」と話している。

プレイ時間は60~90分。対象年齢は12歳以上。本体価格は4,950円(税込/送料別)。オンラインのみでの販売を予定している。購入は、原産協会ウェブサイトから。

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