原子力産業新聞

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UAE 燃料製造施設の入札開始

01 Feb 2024

桜井久子

バラカ原子力発電所 ©ENEC

アラブ首長国連邦(UAE)で原子力発電の導入計画を主導する首長国原子力会社(ENEC社)は123日、燃料集合体の製造施設建設の入札を開始したことを発表した。UAEで運転中のバラカ原子力発電所(PWR×4基、各140kW)に国産燃料を供給する計画だ。

ENEC社は、UAEの今後60年間のバラカ原子力発電所への燃料供給について、18か月にわたり検討を実施し、燃料集合体の製造施設建設を決定した。ただし、UAEの原子力政策では、自国で濃縮および再処理は行わない。

現在、バラカ発電所の燃料集合体は、韓国電力公社(KEPCO)が主導するコンソーシアムに参加する韓国核燃料会社(KNFC)が供給している。

UAEは2008年、同国の電力需要の25%を供給する原子力発電所の導入を決定。エネルギー供給源の多様化のほか、長期的なエネルギービジョンとネットゼロ目標の達成に向け、原子力発電プログラムの実施計画に着手した。UAE初の原子力発電所であるバラカ発電所は、20127月からUAE北部のアブダビ首長国で建設工事が本格的に始まり、123号機はそれぞれ20214月、20223月、20232月から営業運転中である。最後となる4号機は昨年12月に燃料装荷を完了し、起動準備中である。いずれも韓国製のPWRAPR-1400140kW)を採用し、運転や保守は2016年に設立されたENEC(株式保有シェア82%)とKEPCO(同18%)の合弁企業であるNAWAHエナジー社が行っている。

バラカ発電所の燃料を調達するため、ENEC社は世界の核燃料供給業者を対象に広範囲にわたる調達に向けて入札を行った。その後、ウラン精鉱、濃縮ウラン製品や関連製品・サービス、転換や濃縮役務などの提供に関する契約を6社と締結している。

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