原子力産業新聞

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文科省 高校生対象の原子炉研修を継続開催へ

06 Feb 2024

石川公一

「集まれ高校生!原子力オープンキャンパス」の研修風景

文部科学省では、「GX実現に向けた基本方針」(2023年2月閣議決定)などを踏まえ、有識者らによる原子力科学技術委員会及び同作業部会で、今後の技術基盤維持・人材育成の方向性について検討を進めている。これに関連し、1月23日の原子力委員会会合で、文科省研究開発局原子力課長の奥篤史氏が、2023年8月24日に開催した「集まれ高校生!原子力オープンキャンパス」の結果を報告した。

近畿大学原子力研究所との共催による高校生を対象とした原子炉研修としては初めてとなるもので、大学、企業、研究機関など、計21社・機関の協力のもと、30名の生徒らが参加。同学が所有する教育訓練炉「UTR-KINKI」を使用し、「中性子ラジオグラフィ実験」、「放射化と半減期測定実験」などを実施し、実際の原子炉に触れる機会を提供した。原子炉実験と合わせ、企業・研究機関ブースも設けられ、生徒らとの質疑応答を通じ、原子力分野への興味・理解を深める場となったという。

参加者へのアンケートによると、参加動機は「面白そうだったから」が36%、興味深かった内容としては「近畿大学の原子炉を直接見ることができた」が33%で、最も多かった。「実際に原子炉に触れるのは始めての体験だった」、「主体的に将来原子力に進みたい」といった前向きな声もあり、文科省では来年度も継続して開催する意向だ。

委員からは、大学・大学院における原子力関係学科・専攻の減少傾向に対する懸念とともに、初等中等教育段階からの実地研修の意義を評価し、人文社会科学系との連携講座開設や「原子力人材育成ネットワーク」とのつながりに期待を寄せる声もあった。

文科省では、原子力オープンキャンパスの報告と合わせ、今後の原子力科学技術に関する当面の検討課題について、2025年6月頃の中間取りまとめを目指す方針を示した。

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