ブルガリア コズロドイ増設計画に5社が関心
16 Feb 2024
コズロドイ発電所 ©Kozloduy NPP
ブルガリアのコズロドイ原子力発電所が設立した新規建設会社(Kozloduy NPP – New Builds PLC =KNPP-NB)は2月2日、同発電所7~8号機の建設計画に5社が関心表明を提出したことを明らかにした。
5社の具体名は公式には明らかにされていないが、1月下旬、ブルガリアの首都ソフィアで開催された国際会議の席上、コズロドイ発電所のV.ニコロフ所長は報道陣に対し、韓国のヒュンダイ社、米国のベクテル社とフルアー社から非公式に関心が示されたと発言している。
7~8号機の採用炉型は、ウェスチングハウス(WE)社製AP1000。関心表明の募集は、エンジニアリング、建設、調達および試運転を実施する、いわゆるEPCターンキー契約の主契約者の選定を目的としている。WE社は、AP1000の全体的な設計の責任を負い、AP1000の個々のシステムおよび建物の設計に関する責任はWE社が主契約者に委任する。
関心表明の募集は1月19日に開始され、2月2日に締切られた。締切後、直ちに選考を開始。関心表明者の応募資格として、少なくとも原子炉2基の建設と試運転の経験を有し、また、少なくとも2基の原子炉施設とタービン施設の建設で確かな経験があること、または過去15年以内に原子炉2基で重要機器の供給と設置経験があること、さらに2018年から2022年までの5年間の売上高が年平均60億ドル(約9, 000億円)以上であることを定めている。なお、ロシアからの応募は予め除外されており、WE社は主契約者の選定に関与しない。
KNPP-NB社は、7号機を2032年~2033年、8号機を2035年をメドに運転開始させたい考えだ。
ブルガリアは2007年に欧州連合(EU)に加盟した際、加盟条件として2006年までに安全上問題のあるコズロドイ1~4号機(各VVER-440、44万kW)をすべて閉鎖した。現在5、6号機(各VVER-1000、104万kW)だけが運転中で、総発電量の約32%を賄っている。5、6号機とも、60年の運転期間延長を目指し、バックフィット作業を実施している。