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チェコ ドコバニ発電所がWE製燃料を受け入れへ

07 Mar 2024

桜井久子

ドコバニ原子力発電所 ©ČEZ

チェコ電力(ČEZ)は214日、所有・運転するドコバニ原子力発電所(VVER-440×4基、各51kW)に年末をメドにウェスチングハウス(WE)社製燃料が初納入されることを発表した。

テメリン原子力発電所(各108.6kWVVER-1000×2基)の1号機では、2019年に6体のWE製燃料集合体が試験装荷され、現在、ČEZ社とWE社が燃焼特性を評価中だ。試験装荷の結果はドコバニ発電所用燃料の仕様決定等の準備に活用されている。

WE原子燃料部門のトップであるT.チョホ氏は、「当社にはVVER-10001,500体の燃料集合体を納入し、問題なく運転している実績がある。今回、ドコバニ発電所に最新版のVVER-440用燃料集合体を初納入するが、ウクライナのリウネ原子力発電所のVVER-440×2基にすでに装荷実績があり、同様に成功すると確信している」と語る。

2010年代末、それまでロシアの核燃料会社TVEL社に依存していたVVER用燃料の調達先を見直すEUの政策に則して、ČEZ社は燃料調達先を多様化する取り組みを始めた。2018年開始の入札に基づき、2022年にはテメリン発電所用燃料集合体の供給契約をWE社およびフラマトム社と締結。ドコバニ発電所用燃料については2023年、リウネ発電所に燃料を供給したWE社と契約を結んだ。これにより、今回のドコバニ発電所への燃料納入が実現する。

ČEZは2022年、エネルギー安全保障の強化に重点を置き、燃料備蓄量のさらなる増量を決定、両発電所の管理区域内にある特別貯蔵庫の容量も拡大している。ドコバニ発電所では、少なくとも3年分の燃料備蓄を計画している。

また、連続運転サイクルの長期化が可能となり、テメリン発電所では18か月、ドコバニ発電所では16か月となる。これにより、ČEZ社は2030年までに年平均320kWhの原子力発電量の達成を見込む。2023年には両発電所で304kWhを発電、総電力需要の36%を占め、毎年約2千万トンのCO2の排出削減に貢献している。なお、現在の新規原子力発電計画には、最大4基の大型炉新設の他、小型モジュール炉の展開可能性が含まれている。

仏マクロン大統領が民生用原子力協力を含む二国間協力の強化のためにチェコ訪問中の35日には、ČEZ社は仏オラノ社とドコバニ発電所向けのウラン濃縮役務提供に関する契約を締結した。2023年末のテメリン発電所向けの転換と濃縮役務の長期契約に続くもの。ČEZ社は今回の契約について、欧州での燃料確保を確実にし、エネルギー安全保障を一層強化するものと評価している。

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