原子力産業新聞

国内NEWS

柏崎刈羽7号機で燃料装荷開始

18 Apr 2024

石川公一

柏崎刈羽原子力発電所全景

東京電力の柏崎刈羽原子力発電所7号機では、4月15日より原子炉への燃料装荷が行われている。

同発電所に関しては、一連の核物質防護に係る不適切事案で原子力規制委員会より発出されていた「特定核燃料物質の移動を禁ずる是正措置命令」が2023年12月、約2年9か月ぶりに解除。新規制基準適合性審査に係る原子炉設置変更許可が2017年12月に得られている7号機について、同社は2024年3月28日に、プラントの健全性確認を進めるため、規制委員会に対し使用前確認変更申請書他を提出。4月15日、同委より、原子炉を起動する前に行う使用前事業者検査を含む設備の健全性確認に向けて、安全対策設備の試験使用の承認を受け、燃料装荷作業に入ったもの。東京電力は、「作業を進める中で、課題等が見つかれば立ち止まり、必要な対策を講じるなど、一つ一つの工程を着実に進めていく」としている。

柏崎刈羽7号機における燃料装荷開始を受け、齋藤健経済産業相は、4月16日の閣議後記者会見で、「再稼働そのものではない」と、設備の健全性を確認する一プロセスとの認識を強調。その上で、今後の東京電力における対応につき「地域や社会の皆様に対し丁寧に説明を行うとともに、安全最優先で高い緊張感を持って対応してもらいたい」と述べた。

4月17日には、制御棒1本分の駆動用モーターの電源不具合(ブレーカー落下)が発生し作業が一時中断。これに関し、原子力規制委員会の山中伸介委員長は、同日の定例記者会見で、燃料装荷はおよそ13年ぶりとなることから、「機械上のもの、手順上のものもあるだろう」などと、ハード・ソフト面それぞれに起因する軽微なトラブル発生の可能性に言及した上で、今後、「検査の中身については厳正に見ていく」姿勢をあらためて示した。

柏崎刈羽7号機は、2007年7月の中越沖地震で停止後、設備の健全性確認および地元の理解を経て、2009年5月に再稼働したものの、2011年3月の東日本大震災を挟み、同年8月以降、停止している。

cooperation