原子力産業新聞

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G7外相会合 ALPS処理水の海洋放出をあらためて支持

23 Apr 2024

桜井久子

©Ministry of Foreign Affairs of Japan

G7(=先進7か国)外相会合が417日~19日の3日間、イタリアのカプリ島で開催された。中東やウクライナ、インド太平洋といった地域情勢や国際社会の喫緊の諸課題について討議し、最終日の19日、「グローバルな課題への対処及びパートナーシップの促進」に関するG7外相コミュニケが発出された。

同コミュニケによると、G7外相会合では30もの多岐にわたるテーマで討議。うち、原子力をめぐる課題は、軍縮、核不拡散、北朝鮮問題のほか、気候変動、エネルギーセキュリティー、環境のテーマの中で討議されている。

気候変動、エネルギーセキュリティー、環境のテーマでは、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5°Cに抑制し、2050年までに世界の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標達成のため、国際社会が団結して、エネルギーシステムにおける化石燃料からの移行を公正、秩序ある、持続可能な方法で実施し、低排出技術やゼロ排出技術の加速化に貢献する必要性を訴えた。なお、エネルギー安全保障上の潜在的なリスクに対処するため、エネルギー源やエネルギー供給を多様化する政策を確保しつつ、クリーンで、安全、持続可能かつ手頃な価格のエネルギーの開発と普及を迅速に進める必要があるとしている。そのためG7諸国が達成に向けて具体的にコミットする戦略的分野として、バイオエネルギーなどの再生可能エネルギー、原子力エネルギー(先進的ならびに小型モジュール炉を含む)、エネルギー効率、メタン排出削減、産業の脱炭素化、水素エネルギー、炭素管理技術を掲げ、それらの重要な役割を認識すると表明している。

軍縮、核不拡散のテーマでは、原子力安全、セキュリティ及び不拡散に関する最高水準の遵守を表明するとともに、国際原子力機関(IAEA)による国際的な不拡散体制の維持、原子力安全、セキュリティ及び保障措置の強化と、原子力技術の平和的利用の促進という、極めて重要な役割を強調した。また、ロシアのウクライナ侵略をうけて、ロシアからの民生用原子力及び関連製品への依存を更に低減するための措置を評価し、供給を多様化しようとする国々を支援するとのG7首脳のコミットメントにも言及。さらに、福島第一原子力発電所のALPS処理水に関し、「日本は海洋放出を責任をもって管理しており、科学者、パートナー及びIAEAと積極的に調整しながら、安全で透明性のある科学に基づくプロセスを実施していることを支持する」と表明した。

G7外相会合では、ウクライナ情勢をめぐる討議も行われた。上川外務大臣は、「『きょうのウクライナはあすの東アジアかもしれない』という問題意識で取り組んでおり、ウクライナとともにあるという日本の立場は揺るがない」と述べ、ロシアに対する厳しい制裁とウクライナへの支援を継続していく方針を強調。最終日には、「ウクライナへの確固たる支援」に関するG7外相コミュニケが発出された。同コミュニケでは、より広範な国際社会への影響を伴う原子力安全、セキュリティに深刻なリスクをもたらすロシアによるウクライナのザポリージャ原子力発電所の占拠、継続的支配及び軍事化を非難、IAEA専門家の継続的な駐在と現場における原子力安全、セキュリティの確保など、IAEAのリスク軽減に向けた取り組みを支持する文言が盛り込まれた。

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