ギニア ロシアからFNPP導入を検討
18 Jun 2024
RITM-200型原子炉を搭載したFNPPの完成予想図©Rosatom
ロシア国営原子力企業ロスアトムは6月7日、ロシアのサンクトペテルブルク市で開催された国際経済フォーラムで、西アフリカのギニア共和国と浮揚式原子力発電所(FNPP)の開発に係る協力覚書に調印した。
本覚書に基づき、両者はギニアにおけるFNPPの導入をめざし、プロジェクト開発の諸条件を検討する。
本覚書の調印を受け、ロスアトムの機械製造部門副責任者であるV.アプテカレフ氏は、「ギニアの産業ならびに家庭への電力供給に向け、『RITM-200』をベースにしたFNPPの導入を検討する。アフリカ地域の電力供給問題は喫緊の課題であり、ギニアに迅速で信頼性が高く、環境に優しいソリューションを提供したい」と語った。
国連エネルギー統計年鑑によると、大西洋に面したギニアの総発電電力量は約30億kWh(2021年)で、水力発電が88%を占めている。
「RITM-200」は原子力砕氷船に搭載・運転実績がある一体型PWRの先進小型炉で、現在、ロシア極北で世界最大級の未開発銅鉱床に電力を供給するため、FNPPの建設が進行中だ。ロスアトムによると、多数の国と地域がFNPPに関心を持っているという。
ロシアではロシア極北のチュクチ自治管区ペベク市で世界初のFNPP「アカデミック・ロモノソフ」が稼働中。2020年5月に営業運転を開始した。同FNPPにはKLT-40S×2基を搭載し、近隣の町ペベク市に電力および熱を供給する。