原子力産業新聞

国内NEWS

NUMO新理事長に山口彰氏

04 Jul 2024

石川公一

原子力発電環境整備機構(NUMO)の理事長に、7月1日付で山口彰氏が就任。同氏は3日、記者会見に臨み抱負を語った。〈NUMO発表資料は こちら

冒頭、山口理事長は、高レベル放射性廃棄物等の地層処分地選定に向け、文献調査を受入れた北海道寿都町・神恵内村、佐賀県玄海町に対し、感謝の意を表明。その上で、NUMOが使命とする地層処分事業に関し、あらためて「社会全体として解決すべき重要な仕事であり、その責任の重さに身の引き締まる思い」と、所感を述べた。

現在、2020年に開始した寿都町・神恵内村における文献調査については、資源エネルギー庁の技術ワーキンググループで、取りまとめの議論が進められている。続く概要調査に向けては、知事の了解を要するが、今後の見通しについて質問を受けたのに対し、山口理事長は、「NUMO単独で決められるものではない」と述べ、予断を持たずに、現時点では粛々と調査活動に取り組んでいく姿勢を示した。また、この6月に文献調査が始まった玄海町も含め、3町村には「できるだけ速やかに訪問したい」と明言。今後も、最終処分事業について、国民理解の促進に努め、文献調査の受入れ地域の拡大に向け、「国や事業者との連携を強化し、地域への情報提供や地域に根ざした活動に邁進していく」と、抱負を述べた。

山口理事長はこれまで、資源エネルギー庁の原子力小委員会・WG、文部科学省の原子力研究開発・基盤・人材作業部会をリードするなど、原子力政策の推進で手腕を発揮。同氏は、会見の結びで「原子力は、燃料の製造加工、発電、再処理、最終処分と、全体を完結することによって、非常に高い価値を生み出す技術で、エネルギーセキュリティ、地球温暖化対策にも貢献できる」と、核燃料サイクルの重要性に言及しつつ、原子力の持つ価値をあらためて強調した。

cooperation