原子力産業新聞

国内NEWS

太平洋・島サミット ALPS処理水海洋放出も理解へ

18 Jul 2024

石川公一

太平洋・島サミット晩餐会の模様

太平洋・島サミット(PALM10)が7月16~18日、都内で開催された。同サミットは1997年以降、日本と太平洋島しょ国とのパートナーシップを強化することを目的として、3年ごとに日本で開催されているもの。前回、2021年は、コロナの影響によりテレビ会議方式で行われた。〈外務省発表資料は こちら

岸田文雄首相は、会期中、17日までに、ツバル、バヌアツ、ニウエ、パプアニューギニア、パラオ、マーシャル諸島、フィジー、サモア、クック諸島、トンガ、ソロモンの各首脳と会談。福島第一原子力発電所で発生するALPS処理水の海洋放出に関し、岸田首相が「今後も安心を高めていく」旨、発言したのに対し、各国首脳からは歓迎の意が示された。

ALPS処理水の海洋放出に関しては、2023年7月4日、IAEAラファエル・グロッシー事務局長より、安全性レビューを総括する「IAEA総括報告書」が、日本政府に対し手交された。それを受け、8月24日に海洋放出が開始。2024年7月16日には、都合7回目の海洋放出が完了した。

なお、IAEAは、ALPS処理水取扱いに関し、同年4月23~26日に海洋放出開始後2回目となる国際専門家からなる安全性レビューミッションを日本に派遣した。7月18日、現地調査、関係機関との議論などを通じた調査結果として、「国際安全基準の要求事項と合致しないいかなる点も確認されなかった」とする報告書が公表された。

cooperation