南相馬市、「ロボットイノベーションシティ」を目指しPR動画公開
31 Mar 2020
門馬南相馬市長(右、NEDO石塚理事長との協定署名式にて)
福島県南相馬市は、復興の重点戦略として取り組んでいる「ロボット振興ビジョン」の実現に向けた取組をPRする動画を作成し順次公開している。
同市は、実際の使用環境を再現しながら陸・海・空で活躍するロボットの研究開発、実証試験、性能評価、訓練などを行う「福島ロボットテストフィールド」を立地。これを、最大限に活用し、国内外の優秀な研究者が集う環境整備、企業の技術革新やベンチャー輩出を推進するとしている。
動画は、政府の科学技術イノベーション総合戦略が掲げる「Society5.0」に因み、「Minamisoma5.0 南相馬が目指すロボットイノベーションシティ」と題し、「南相馬のロボットは道具じゃない、○○だ」をキーフレーズに、門馬和夫市長始め、ドローンの開発・製品化に取り組む地元企業の技術者やロボット体験を授業に取り入れている小学校教員らがそれぞれの想いを語るシリーズ物。農業ロボットの開発に取り組む銀座農園社長の飯村一樹氏は、高齢化が進む果樹産業の支援などを目指し「人と一緒に動くロボットを作りたい」、「南相馬のロボットは道具じゃない、『息子』だ」と語る。
動画の中で「市の人材輩出・育成」に向けた意気込みを「南相馬のロボットは道具じゃない、『復興の希望』だ」と訴えかける門馬市長は、昨春「福島ロボットテストフィールド」を活用したロボット関連人材育成に関わる新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との協力協定の締結に臨んでいる。
「福島ロボットテストフィールド」は、浜通り地域の新産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の中核として31日に全面開所。福島県の内堀雅雄知事は30日の定例記者会見で、「既に全国から最先端の企業や研究者が集まっており、世界初の実証試験やロボットの新たな基準作りに向けた試験が行われている」とした上で、「空飛ぶクルマ」の実証試験を一例にあげ、同所の持つ優位性を活かした取組を通じ、「メイドイン福島」の革新的なロボット技術や製品が生み出されることに期待を寄せた。