米オクロ社 SMRでシーメンスと機器供給契約
21 Aug 2024
シーメンスのヒューストン事務所で蒸気タービンについて協議するオクロのチーム ©Oklo
米国で先進炉開発を進めているオクロ社は8月13日、同社が開発する小型モジュール炉(SMR)である「オーロラ」向け電力変換システムに関する優先サプライヤー契約を、独シーメンス・エナジー社と締結した。
オクロ社によると、本契約は昨年12月に締結した覚書に基づいており、顧客の増大する電力需要に応えるため、生産の拡張、コスト効率、および迅速な展開を強化するという同社のビジョン上、重要なステップとなるという。
オクロ社は、複数の発電所全体で機器を標準化し、製造、建設、運転、メンテナンスのコスト削減のみならず、メンテナンスによる停止期間を短縮させ、全体的なパフォーマンスを向上させたい考えだ。
オーロラは、液体金属冷却の高速中性子炉で、ヒートパイプを使用して炉心から超臨界二酸化炭素発電システムに熱を運び発電する。HALEU[1]U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン燃料を使用しており、少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能である。出力は顧客のニーズに合わせて1.5万~5万kWeの範囲で調整が可能だ。
米エネルギー省(DOE)は2019年12月、先進的原子力技術の商業化を支援するイニシアチブ「原子力の技術革新を加速するゲートウェイ(GAIN)」の一環として、アイダホ国立研究所(INL)敷地内でオーロラの建設を許可。これを受けてオクロ社は翌2020年3月、原子力規制委員会(NRC)にオーロラ初号機の建設・運転一括認可(COL)を申請したが、NRCは、審査の主要トピックスに関する情報がオクロ社から十分に得られないとして、2022年1月に同社の申請を却下した。オクロ社は同年9月、オーロラの将来的な許認可手続きが効率的かつ効果的に進められるよう、NRCとの事前協議を提案する「許認可プロジェクト計画(LPP)」をNRCに提出している。なお、DOEおよびアルゴンヌ国立研究所やアイダホ国立研究所などと共同で、使用済み燃料から残りの潜在的エネルギーの90%以上を抽出し、オーロラの燃料として利用する、先進的な燃料リサイクル技術の開発にも取り組んでいる。
脚注
↑1 | U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン |
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