原子力産業新聞

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福島第一2号機 燃料デブリ試験的取り出しの動画公開

13 Sep 2024

石川公一

福島第一2号機・燃料デブリ試験的取り出しのイメージ

東京電力は9月12日、福島第一原子力発電所2号機で行われている燃料デブリ試験的取り出し作業の動画を公開した。

初の燃料デブリ取り出しを実施する2号機では、本格作業に向けてロボットアームの導入が計画されているが、今回、テレスコ式装置(短く収納されている釣り竿を伸ばすイメージ)を、原子炉格納容器(PCV)にアクセスする貫通孔の一つ「X-6ペネ」から挿入。少量の試料サンプリングを実施し、その分析結果を踏まえ、今後の取り出し量拡大につなげていく方針。

同装置は、押し込みパイプ、ガイドパイプ外筒、ガイドパイプ内筒を介し、先端治具をワカサギ釣りのイメージでPCV内部に吊り降ろす。先端治具では約3gの試料を採取。各パイプを挿入の逆手順で引き抜き、運搬用ボックスに収納するという手順だ。8月22日より開始された作業で、押し込みパイプ(1.5m×5本)の接続準備中、現場の最終チェックにおいて、その1本目が計画していた順番と異なることが確認されたため、作業が中断。押し込みパイプの復旧作業および現場確認が完了したことから、9月10日より作業が再開した。

今回、公開された動画は、テレスコ式装置のアーム箇所に設置された先端治具監視カメラ、アーム先端部カメラ、アームテレスコ下部カメラ、アームチルト部カメラの4か所の映像。東京電力として、試験的取り出し作業の着手とみなす「同装置の先端治具が隔離弁を通過する」状況(9月10日午前7時20分)を写している。

同社の広報担当者は、9月12日の定例記者会見で、映像を示しながら、同日の状況として、「ガイドパイプは約170cm挿入(PCVへは約90cm程)され、『X-6ペネ』内でトラブルなく作業が進んでいる」と説明。翌13日の見通しとして「テレスコ式装置は水平で最大に伸びた状態になる」と述べた。今後の作業に向け、「発生し得る事案を想定し、それに応じた予防対策・対応方針を検討する」とした上、「引き続き安全最優先で緊張感を持って取り組んでいく」と強調。総勢60~70名(協力会社含め)の体制で当たっている状況下、週明け以降の作業予定について質問されたのに対し、「一歩一歩進捗した段階で見通しを示す」と、予断を持たずに対応していく姿勢を示した。

東京電力では8月19日より、ホームページ内に「燃料デブリポータルサイト」を開設し、福島第一1~3号機の燃料デブリに関するわかりやすい情報発信に努めている。

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