原子力産業新聞

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チェコ 英社製SMRが最有力に

24 Sep 2024

桜井久子

ロールス・ロイスSMRの完成予想図
©Rolls-Royce SMR

チェコ政府とチェコ電力(ČEZ)は918日、小型モジュール炉(SMR) の建設プロジェクトの優先サプライヤーに、ロールス・ロイスSMR選定した。

英ロールス・ロイスSMR社は、SMR供給者7社の中から入札によって選定され、現在、契約条件の最終決定に向けた協議が進行中である。同社製SMRPWR47kWe)は、2030年初頭に英国で運転開始が計画されている。

チェコは、老朽化した石炭火力発電所をSMRで代替し、脱炭素化とクリーンエネルギー源への安全な移行を進めるだけでなく、SMR関連機器の生産においても、大型炉と同様、グローバルなサプライチェーンの一部を構成したい考えで、チェコ経済にとって大きな機会になると捉えている。今回の選定結果を受け、P. フィアラ首相は「SMRは、将来のエネルギー安全保障の確保にとって重要な技術となり得る。我々は建設だけでなく、グローバルな生産と開発に参加していく。ČEZとロールス・ロイスSMR社の戦略的パートナーシップの確立は、原子力産業で長年の経験を持つチェコの企業にとって素晴らしい機会となるだろう」と語った。

ČEZは、南ボヘミア州のテメリン原子力発電所の近くで、SMR初号機の建設計画を進めている。2040年までに予定されている新規大型炉の運転開始に先立ち、SMRを完成させる計画だ。ČEZは、南ボヘミア州および同社子会社の原子力研究所ÚJV Řežと緊密に連携して準備を進めている。なお、ČEZは後続のSMR建設サイトも調査中であり、閉鎖予定の石炭火力発電所サイトである、チェコ北東部のジェトマロヴィツェ(Dětmarovice)および北西部のトゥシミツェ(Tušimice)にて、サイト適性の調査を集中的に進めている。

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