原子力産業新聞

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英国 SMR導入支援で米GEH社らがMOU

25 Sep 2024

桜井久子

「BWRX-300」発電所の完成予想図
© GE Hitachi Nuclear Energy

米GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社は9月9日、エーコン社、アトキンス・リアリス社(旧SNC-ラバリン社)、ジェイコブス社、レイン・オルーク社の各社と、英国での小型モジュール炉(SMR)導入支援の了解覚書MOUを締結した。GEH社は、英国で進行中のSMR支援対象選定コンペを念頭に、同社製SMR「BWRX-300」の英国への導入を目指している。

英政府は原子力発電設備容量を、2050年までに2,400万kWまで拡大する計画を発表しており、SMR導入も謳われている。GEH社製「BWRX-300」(BWR、30万kWe)は、英国の原子力発電所新設の牽引役として2023年7月に発足した政府機関「大英原子力(Great British Nuclear:GBN)」が実施するSMRの支援対象選定コンペの最終候補の1つに選定されており、現在、評価中だ。

建設大手のエーコン社は、加オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社のダーリントン新原子力プロジェクトにおいて、BWRX-300の建設プロジェクト管理、建設計画、施工を含む建設サービスを提供。エンジニアリング会社のアトキンス・リアリス社は同プロジェクトの設計者兼エンジニアを務めている。ダーリントン新原子力プロジェクトにおけるBWRX-300の着工は2025年、2029年末までに営業運転を開始する予定であり、GEH社は同プロジェクトから得られる知見の英国での活用に期待している。また、技術専門サービス会社であるジェイコブス社との協力により、英国の環境に合わせた最高水準の設計能力をより向上させ、建設会社のレイン・オルーク社による、業界をリードする最新の工法はSMR導入の展開を支援するとの考えだ。

なお、これらのMOUは、BWRX-300の建設に向けた、英政府所有の最大手の大型鋳鍛造品メーカーであるシェフィールド・フォージマスターズ(SF)社との協力に基づく。2022年9月、GEH社はSF社とMOUを締結。SF社の原子力関係の鋳鍛造品の製造能力が、英国内でBWRX-300の建設需要を満たすのに有効であるか協議し、BWRX-300用の鍛造品を英国内で調達する契約締結のほか、将来的には世界中でのBWRX-300展開も視野にいれた協力可能性を探ることとしている。

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