原子力産業新聞

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ムロオシステムズ 独NUKEM社を買収

10 Oct 2024

石川公一

ムロオシステムズはこのほど、ドイツのエンジニアリング企業である NUKEM Technologies Engineering Services GmbH(NUKEM社)の主要資産を正式に取得し、買収手続きを完了した。ムロオシステムズは、2006年に設立された物流ソリューションを中心とするニッチな提案にも強みを持つ新進気鋭企業。現在、電子決済やアパレル流通など、幅広く手掛けており、中国、香港、カザフスタンにも拠点を構えている。〈ムロオシステムズ発表資料は こちら

同社は5月29日に買収契約を締結し、必要な承認手続きを経た後、9月9日にドイツ政府から認可を取得し全手続きを完了。NUKEM社は、1960年に設立され、放射性廃棄物管理、使用済み燃料管理、廃止措置など、世界的に高い評価を得ており、ドイツで最初の商業用原子力発電所の廃炉を成功させ、現在も5基の廃炉プロジェクトを実施している。

ムロオシステムズでは、今回の原子力分野における事業展開を契機に、新たなR&Dセンターを福島県浜通り地域に設立するほか、日本の原子力技術の海外展開を視野に入れた研究開発を推進していく考え。東日本大震災被災地における新産業創出にも貢献することとなりそうだ。

同社執行役員の二宮暢昭氏は、NUKEM社の有する技術力に関し、「同社のIT技術を組み合わせることで、新たなシナジーを創出し、次世代エネルギー開発において競争力を高めていく。今後は、欧州での事業基盤を強化し、アジア市場での展開も積極的に進めていく」と、意欲を示した。

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