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フィンランド 新たなSMR建設計画が始動

17 Oct 2024

深澤伊弦

LDR-50建設時のイメージ図© Steady Energy

フィンランドのステディ・エナジー(Steady Energy)社は10月12日、フィンランドのケラヴァ市が保有するエネルギー企業のケラヴァン・エネルギア(Keravan Energia)社と、ケラヴァ市での小型モジュール炉(SMR)を使用した地域熱供給に関する協定を締結した。早ければSMRの建設を2029年から行い、地域熱供給を2032年に開始する見込み。 

ステディ社は2023年にフィンランド国営のVTT技術研究センターからスピンオフした、SMR開発を行うスタートアップ企業で、フィンランド国内では既にクオピオ市ヘルシンキ市で同様の取り組みを進めている。 

ケラヴァン社は、2030年までのカーボンニュートラル達成を企業理念として掲げており、現在の地域熱供給にはバイオマス燃料と泥炭が燃料として使用されている。同社のJレトCEOは「電力価格の変動に対抗するには、より安定した電源が必要である。ステディ社が開発するSMRは非常に現実的な選択肢だ」と強調した。 

今後、SMRの立地適性および技術的・経済的実現可能性の評価、規制当局による許認可手続きなどが行われる見込み。 

建設が予定されているSMRは、これまでの2都市と同様にステディ社の「LDR-50」(5万kWt)で、コストは約1億ユーロ(約162億円)と見積もられている。LDR-50は熱供給専用で、最大150℃の熱を発生させる。地域暖房以外にも産業用蒸気や海水淡水化での利用を視野に入れている。高さは約10mで、地下に建設される。 

ステディ社は来年、LDR-50の機能性などの検証を目的に、LDR-50のパイロットプラント(電気加熱式)をフィンランド国内に建設予定で、建設コストは1,500万~2,000万ユーロ(約24~32億円)。建設候補地としてはヘルシンキ市、クオピオ市、エスポー市、ラハティ市が挙げられている。

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