地層処分地選定 NUMOが文献調査報告
26 Nov 2024
原子力発電環境整備機構(NUMO)は11月22日、地層処分地の選定に向け、北海道の寿都町と神恵内村で実施してきた文献調査の報告書を、両町村および北海道に提出した。〈発表資料は こちら〉
文献調査は、法律に基づく処分地選定プロセス(文献調査:2年程度、概要調査:4年程度、精密調査:14年程度、次の調査に進む場合は知事・当該市町村長の意見を聴く)のうちの第1段階。地域固有の文献・データをもとにした机上調査で、ボーリングなどの現地調査は行わない。NUMOでは、2020年10月に寿都町・神恵内村から文献調査受入れの応募を受け、同年11月に両町村における調査を開始した。
2024年2月13日には、文献調査報告書(案)が示され、成案に向けて、総合資源エネルギー調査会下のワーキンググループで地質学専門家ら300名余による声明などを受け、技術的観点から評価が行われていた。このほど4年を経過しての取りまとめとなった。
今回、NUMOが取りまとめた文献調査報告書では、調査の経緯、手法、結論として「概要調査に向けた考え方」を整理。続く概要調査段階では、寿都町・神恵内村ともに、活断層や火山などの広域的な現象が及ぶ範囲を、対象地層から除外することを明記している。
11月22日に、北海道の鈴木直道知事を訪れ、文献調査報告書を手渡したNUMOの山口彰理事長はコメントを発表。「初の文献調査地点」として関心を集める中、調査を受入れた両町村への謝意を述べるとともに、今後、北海道各地での報告書縦覧、説明会の開催を通じ、文献調査で得られた知見について丁寧に説明していく考えを示した。今後、文献調査に関する説明会は、11月30日より、寿都町、神恵内村の他、道内、倶知安町、札幌市で順次行われる予定。
なお、地層処分地の選定に向けては、原子力発電所を立地する佐賀県玄海町が文献調査に応募しており、6月に調査が開始している。
NUMOでは今後も地層処分の理解促進に向け、12月19日の大阪市を皮切りに、年明け2月にかけて名古屋市、東京都、広島市と、大消費地を中心に対話型全国説明会を開催する予定を発表した。