米オクロ社 新たにDC企業2社へ電力供給へ
27 Nov 2024
オクロ社の「オーロラ」発電所完成予想図 ©Oklo
米国で先進炉開発を進めているオクロ社は11月13日、データセンター(DC)企業2社と最大75万kWの電力供給に関する基本合意書(LOI)を締結した。契約先の社名やスケジュールは、明らかにしていない。
オクロ社は、生成AIを用いたテキスト生成サービスである「Chat GPT」を開発した、米オープンAI社のS.アルトマンCEOが会長を務め、取締役には米国のトランプ次期大統領にエネルギー省(DOE)長官に指名されたC. ライト氏が名を連ねる。オクロ社はマイクロ炉「オーロラ(Aurora)」の開発を進めており、既に米国内の複数の企業との電力供給に関するLOIを締結している。今回の契約を含めると、同社が各契約先に供給する電力規模は合計で210万kWとなる見込み。また、米空軍省(DAF)が計画する、アラスカ州のアイルソン空軍基地へのマイクロ炉の設置について、同社が暫定的なベンダーとして選定されている。
また、オクロ社は初の商用オーロラ発電所をアイダホ国立研究所(INL)敷地内に2027年に設置することをめざしており、10月にはDOEが「オーロラ」向け燃料製造施設の概念安全設計報告書(CSDR)を承認した。
「オーロラ」は、燃料としてHALEU燃料[1]U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウランを使用する液体金属高速炉のマイクロ原子炉で、電気出力は0.15~5万kW。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能なほか、放射性廃棄物をクリーン・エネルギーに転換することもできるという。
データセンターの電力消費量が急増する中、原子力の活用を求める動きが活発化しており、米IT企業大手Google社が複数の先進炉導入による電力購入契約(PPA)を締結したほか、米大手テック企業のAmazon社もSMRプロジェクトへの出資を表明している。
脚注
↑1 | U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン |
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