米オクロ社 データセンターの電力供給を加速
31 Jan 2025
オクロ社の「オーロラ」発電所完成予想図 © Oklo
米国で先進炉と核燃料リサイクル開発を進めているオクロ社は1月17日、常用電源および非常用電源のプロバイダーであるRPower社と覚書を締結し、オクロ社が開発中の高速炉「オーロラ」発電所の電力とRPower社の天然ガス発電を組み合わせ、データセンター向けの電力供給モデルを展開していくことを明らかにした。
RPower社は2021年に設立。重要インフラ企業に電力を提供することに特化しており、データセンターや石油・ガス産業を含むエネルギー集約型産業へのサービスに重点を置いている。
オクロ社の顧客基盤は拡大しており、現在の受注残は1,400万kWに達しているという。オクロ社はRPower社と協力して、当面および長期的なエネルギー供給の問題に取り組む。将来的には天然ガス発電への依存から脱却し、拡張性のある持続可能な運用を可能にするとともに、原子力との組み合わせによって大規模容量の電力を必要とする既存のユーザーの他、新規の顧客も獲得したい考えだ。
またオクロ社は1月28日、先進的な核燃料技術開発企業である米ライトブリッジ社と、燃料製造施設の共同建設に向けた実行可能性調査を実施、ならびに先進燃料リサイクルに関する協力を模索するための覚書を締結したことを明らかにした。
両社は、オクロ社が開発する商業用燃料製造施設にライトブリッジ社の商業用燃料製造施設を併設することで、先行資本支出と継続的な運営費の両面で大きな相乗効果をもたらすことで合意。両社の持続可能な原子力エネルギーソリューションへの取組みは共通しており、先進的な燃料リサイクル技術開発において協力することによる新たなフロンティアの開拓に意気込みを示した。
オクロ社は米エネルギー省(DOE)からアイダホ国立研究所(INL)敷地内に液体金属高速炉のマイクロ炉の「オーロラ」を建設するサイト使用許可を取得。INLから燃料材料の提供を受け、DOEおよび傘下の国立研究所と協力して先進的な燃料リサイクル技術の開発に取り組んでいる。ライトブリッジ社も二酸化ウランではなく金属ウラン合金を使用したLightbridge Fuelを開発。DOEの「原子力の技術革新を加速するゲートウェイ(GAIN)」プログラムから過去数年にわたり、Lightbridge Fuelの開発を支援する助成金の交付を受ける他、マサチューセッツ工科大学とテキサスA&M大学におけるDOEの原子力エネルギー大学プログラムを通じて、大学主導の研究に参加している。