原子力産業新聞

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ベルギー 最古のドール1号機が永久閉鎖

26 Feb 2025

桜井久子

永久閉鎖となったドール1号機 Ⓒ ENGIE Electrabel

ベルギーで最古のドール原子力発電所1号機(PWR46.5kWe)が214日、永久閉鎖した。運転事業者であるエレクトラベル社が発表した。20031月の原子力発電の段階的廃止に関する連邦法による。同機は1975215日に営業運転を開始し、50年間稼働した。

ドール1号機と2号機はツインユニットであり、共通の制御室と機械室に加え、多数の安全システムを共有している。これらはすべて、20251130日に予定されているドール2号機の閉鎖日まで稼働する。

ドール1号機と2号機は当初、2003年の連邦法により運転期間が40年となる2015年に閉鎖される予定であったが、エネルギーの安定供給やCO2排出抑制の観点から、20156月の法律の一部改正により、さらに10年間の運転を継続することとなった。1号機の閉鎖により、ベルギーでは現在、ドール発電所で2基、チアンジュ発電所で2基、2サイトで原子炉が稼働中。いずれもPWRを採用し、計4基の合計出力は365.3kWeとなった。なお、連邦法によりドール3号機は20229月に、チアンジュ2号機は20231月に閉鎖されており、閉鎖は3基目となる。チアンジュ1号機も年内に閉鎖予定。

ベルギーで2月上旬に発足した新連立政権は、ドール4号機とチアンジュ3号機の原子炉の運転を、すでに合意されている10年間の延長に加えてさらに10年間継続する計画をするほか、新規建設も視野に入れ、原子力の段階的廃止政策の撤廃を表明した。今回、運転期間延長の対象となる、ドール4号機とチアンジュ3号機については、両機とも1985年に運転を開始。40年目となる2025年に閉鎖が予定されていたが、エネルギーの安定供給に懸念が生じたため、政府は20223月にこれら2基の運転期間を10年延長し、2035年まで維持する方針を決定。運転事業者であるエレクトラベル社の親会社である仏エンジー社と20237月、運転期間の延長の最終合意に向けて交渉していくことで枠組み合意し、同年12月には、203511月まで運転期間を10年延長する計画の諸条件について最終合意に達していた。

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