米国 国家エネルギードミナンス評議会を設立
28 Feb 2025
米トランプ大統領は2月14日の大統領令により、大統領府内に、エネルギー政策の司令塔となる、国家エネルギードミナンス(支配)評議会を設立した。D. バーガム内務長官が議長を務め、C. ライト・エネルギー省(DOE)長官が副議長を務める。他メンバーには、国務長官、財務長官、国防長官、司法長官、農務長官、商務長官、運輸長官、環境保護庁の管理者、経済政策や国家安全保障問題担当の大統領補佐官らを含む。
同評議会は、最終的には国内のエネルギー生産を増やすことによって「エネルギー支配を達成する」ための戦略について大統領に助言することを目的としている。
評議会は、大統領から、100日以内に提言と既存の権限下で可能な行動の両方を含む計画の提出を要請されている。同大統領令では、この計画によって「信頼性の高いエネルギーの緊急性など、エネルギー支配に関連する事項について国民的な意識を高める」と指摘。「インフレを押し下げ、経済を成長させ、高賃金の雇用を創出、製造業における米国のリーダーシップを再確立し、人工知能(AI)で世界をリードする。世界中の戦争を終わらせるために商業的および外交的な手段を振るい、力によって平和を回復する。そのためには、信頼性が高く手頃な価格のあらゆる形態のエネルギー生産を拡大しなければならない」と強調する。アメリカのエネルギー支配を政策の基軸に据え、原油、天然ガス、ウラン、石炭、バイオ燃料、地熱など、潤沢な国内資源を活用し、外国からの重要鉱物の輸入依存を減らし、経済を成長させる方針を示している。
同協議会は、許認可、生産、発電、流通、規制、輸送、輸出を含むエネルギー産業を取り巻くプロセスを改善するための戦略について大統領に助言する。また、官僚的な形式主義や不必要な規制を廃し、民間部門の投資の拡大、イノベーションの促進など、エネルギー支配を達成するための長期目標を含む、より多くのエネルギー生産を可能にするための国家エネルギー支配戦略を大統領に提出する役目も担う。エネルギー生産の増大という政策目標を実現させる行動の例として、発電設備容量の急速かつ大幅な増加、エネルギーインフラの迅速な承認に加え、閉鎖された発電所の運転再開へ向けた取組みの促進や、小型モジュール炉(SMR)の早期運開を挙げている。