インド企業 原子力で自家発を計画
03 Mar 2025
インドの天然資源会社大手のヴェダンタ(Vedanta)社は2月20日、合計出力500万kWeの原子力発電所の設計、建設、運転に関し、グローバル企業からの関心表明(EOI)の募集を開始した。
ヴェダンタ社は、原子力発電を使用して自社プラントのエネルギー需要を満たす考えだ。エンドツーエンドのターンキープロジェクトを提供する確かな実績を持つ、世界的に認められた企業を探していると表明している。関心のある企業は、募集開始から30日以内にEOIを提出する必要がある。なお同社が、原子力発電所のサイト、インフラ支援、規制当局の承認を手配するという。同社の事業は原油生産からアルミニウム、亜鉛生産まで多岐にわたり、インド全土に工場がある。また、発電事業も手掛けており、既存の900万kWeの火力発電プラントの他、400万kWeの再エネプラントが建設中である。
インドのN. シタラマン財務大臣は2月1日、2025年度(2025年4月~2026年3月)連邦予算を発表。原子力発電設備容量を2047年までに少なくとも1億kWに引き上げるとともに、2,000億ルピー(約3,500億円)を投じて小型モジュール炉(SMR)の研究開発を推進する「原子力エネルギーミッション」を開始、2033年までに少なくとも国産SMR5基の運転開始をめざす方針を表明した。さらに、民間企業がこのセクターに参入するための大きなハードルとなっていた原子力法および原子力損害賠償法の改正を進め、民間部門との連携強化を図る考えを示している。
最近では、インドのコングロマリットの「ナヴィーン・ジンダル・グループ(Naveen Jindal Group)」が、原子力企業のジンダル・ニュークリア・パワー(Jindal Nuclear Power)社を設立し、今後20年間で1.8兆ルピー(約3.2兆円)を投じて、バーラト小型原子炉(BSR)を含む先進技術を活用し、1,800万kWの原子力発電所を建設・所有・運転する計画を発表。インド有数の電力会社であるタタ・パワー(Tata Power)社も政府の原子力拡大方針に伴い、小型モジュール炉(SMR)の開発機会を模索すると表明するなど、民間企業による原子力分野への参入が目立ってきている。