独シーメンス 英製SMRにタービン供給へ
12 Mar 2025
独エネルギー・エンジニアリング大手のシーメンス・エナジー社は2月28日、英国で小型モジュール炉(SMR)の開発を行うロールス・ロイスSMR社とパートナーシップ契約を締結した。この契約によりシーメンス社が蒸気タービン、発電機、その他補助システムを供給することになりそうだ。最終契約は、2025年末までに締結予定。
シーメンス・エナジー社は、何十年にもわたり、原子力発電所の非原子力部である、いわゆる「パワーアイランド」の機器とサービス供給の実績がある。原子力発電所向けとしては、出力2万kWから190万kWまでの蒸気タービンと発電機、および運転制御システムをラインナップする。
シーメンス・エナジーの取締役会メンバーであるK. アミン氏は、「当社には数十年にわたる機器供給の実績があり、ロールス・ロイス社は必要な実装のノウハウを持っている。エネルギー供給の未来を共に形作る機会を嬉しく思う」と語った。
ロールス・ロイスSMRは既存のPWRをベースとしており、電気出力が47万kWとSMRにしては大型なのが特徴。運転期間は60年以上。なお同炉は、英国の原子力発電所新設の牽引役として2023年7月に発足した政府機関「大英原子力(Great British Nuclear=GBN)」が実施するSMRの支援対象選定コンペで、最終選考に残った4炉型の1つ。最終入札の提出への招待状が2025年2月に各炉型を開発する4社に送られ、選定プロセスは最終段階に入っている。GBNは今春に支援対象を決定する予定だという。